転轍器

古き良き時代の鉄道情景

C11270のこと


 大分運転所に居るはずのないC11が扇形庫に入っているのに驚いた。車両の動きを見ると、昭和46年2月直方機関区より大分運転所に転属、46年7月15日大分運転所で廃車保留車となっていた。C11270は玖珠町の三島公園に保存展示される機関車に選ばれたが、本来なら宮原線で最後まで活躍した豊後森機関区のC11191〔森〕が適当であったと思われる。保存の話が出た時には既に廃車になった後でやむなく伊田線を走っていた直方機関区のC11270に白刃の矢が向けられたのであろう。この後小倉工場で整備されて10月に豊後森へ運ばれ、11月3日三島公園で除幕披露された。 大分運転所 S46(1971)/8

ナンバープレートを外され朽ちはてた廃車体のようなC11270と再会する。前年に直方機関区で元気な姿を見ていただけに驚きであった。

直方機関区扇形庫で見た現役時代のC11270〔直〕 S45(1970)/8
 昭和59年11月に発行された豊後森機関区50周年記念の冊子に、C11270であろう回送風景の写真が掲載されている。その写真は由布院駅3番線に入ったDE10+D60+C11の上り貨物列車で、整備されて豊後森へ回送されるC11270であったと推測している。