転轍器

古き良き時代の鉄道情景

行橋中線


 行橋駅中線は日豊線田川線を通る石炭列車が入るので有効長が長く敷設されている。露出不足の眠たい写真は毎度の事ながら私にとっては重要な構図なのでスキャンデータを限りなく明るくしてみた。幾度となく訪れた行橋ではあったが中線を撮ったのはこの1枚限りでレールとキュウロクの前輪だけが光る日没後写真が残る結果となった。田川線を行く石炭、石灰石列車の機関車はデフの無いキュウロクを良く見かけ、かつそれが継足し化粧煙突の罐であると何か昭和30年代に居るような錯覚になって特別な思いを抱いていた。帰路につく行橋駅ホームで音もなく接近してきたデフ無し継足し化粧煙突の機関車が視界に入り慌てて撮ったのがこの構図。この位置で撮れて幸い、機関車はゆっくりホーム先端まで進んで停止したのでここでしか機関車の顔は撮れなかった。ナンバーは29608と読め後藤寺機関区所属機であった。筑豊炭を苅田港へ輸送する為日豊本線小波瀬〜行橋間は昭和31年には複線化されていた。        日豊本線行橋 S46(1971)/8