転轍器

古き良き時代の鉄道情景

天草


 京都発熊本行209レ急行“天草”は門司ー小倉ー戸畑ー八幡と停車した後、筑豊本線内は直方ー新飯塚ー飯塚に止まり、原田は通過して再び鹿児島本線に出て鳥栖へ止まる。豪華な11両編成でスハフ43ースロ54ーオロネ10ースハネ16…と続く。黒崎からの線路別複々線が方向別複々線に切替わる地点を通過中。“天草”はこの年の春冷水峠を訪れた際、情報不足で飯塚からD60の補機が付くのを知らずに、峠から筑前山家に引きあげる時、D60のテールサインを見送った苦い思い出がある。“天草”通過前に上り貨物が通過、その補機のD60が逆向きについていたのは「何故?」と思わなかったことが敗因であった。転車台のある原田からわざわざ補機を逆向きに付ける理由は何か、を考える余裕がなかった。貨物の逆向補機は停車駅の飯塚から冷水峠越えに“天草”の後部補機を鳥栖まで務めるD60の送り込みであった。 筑豊本線折尾〜中間 S47(1972)/8