転轍器

古き良き時代の鉄道情景

荷1032レ


 影が長くなる午後3時前、宮崎発東小倉行急行荷物列車が二豊路を北上する。迫る機関車はED7679〔大〕でアウトカーブから構える。振り返るとS字カーブを高速で通過する新系列のパレット系荷物車が目に飛び込んできた。後追いのカットで編成は8輛ということがわかる。荷物列車の魅力はさまざまな形式が、高低、長短、新旧を問わず雑多に組まれた編成ということにつきる。 荷1032レ 日豊本線東別府〜西大分 S58(1983)/10/27

 銀色のワキ8000が2輛続き、側扉の取っ手が賑やかに映る。ナンバーはワキ8546と読める。参考文献の「荷物車・郵便車の世界ー昭和50年代のマニ・オユの記録ー」(クリエイティブモア刊)からこの車番の記述を抜粋する。ー当初電暖を持たなかったワキ8000〜、ワキ8750〜も昭和55年度から電暖化されワキ8540〜8594となった。なお、ワキ8000自体には暖房装置はなく、ここでの暖房とは引き通しの設置を意味している。ーたまたま写ったワキ8546はこの区分に該当する。

 最後尾は全体がブルーのマニ44が努めていた。妻面は完全切妻ではなくて扉部分に角度がついて、窓は固定で小さなくぐり扉が独特なスタイルといえる。梯子の上に架線注意の標記が付いている。屋根上に大きく目立つ押込形ベンチレーターがとても印象的であった。