数十年ぶりに門司駅に降り立った。この位置からはEF30重連回送やDD51牽引のホキ編成が眼前を通過する懐かしい光景が蘇ってくる。下り電車を待っていると関門トンネルから長いコンテナ編成が姿を現した。 門司 H30(2018)/1
多種多様なコンテナがリズミカルなジョイント音で通り過ぎる。コンテナのサイズや積載のパターンがバラエティに移り変わり、見ているだけで楽しい。
流れ去るコンテナ群を追っていて目についたのがこの「OOCL」。国際コンテナ輸送のブランドロゴらしく鉄道貨物のグローバル化を思い知らされる。グレイのコキ107はロゴやレタリングが無いのでのっぺらに感じる。
列車は門司構内を通過、北九州貨物ターミナル方へ立体交差の下り勾配にかかる。ECOLINER31と書かれた日本通運のコンテナはウイングコンテナで、サイドの「コキ50000積載禁止」の標記が目に留まった。
下関〜小倉間は交直セクションがあるので415系が使われ、頻繁に往復していた。下関発小倉行が来たので最後尾のクハ411に乗車する。貫通路の窓付近を確保し、門司〜小倉間の線路配線が国鉄時代からどのように変わったかを見たくて後部車窓を独占した。
415系は外側旅客線を走行。揺れがひどくカメラが水平に定まらない。貨物ターミナル方から内側貨物線に合流するコンテナ編成と併走が始まる。 門司〜小倉
しばらく併走が続く。しかし速度の差は歴然でコンテナ編成はだんだんと後方へ下る。
両列車の速度差はますます広がり、機関車を捉える位置に迫る。機関車を見るまではまさか、先ほど門司駅で撮った編成とは思いもしなかった。
機関車の前に出て、初めて先ほどの列車とわかる。北九州貨物ターミナルには寄らず、さらに南下する列車であった。クハ411は相変わらずよく揺れる。
列車は小倉駅手前にさしかかる。この位置は旅客線が日豊本線を分けて2本となり、走行中の線路が勾配を上り左の日豊本線を乗り越して小倉駅に入る。下り貨物線は画面左へ流れ、上り貨物線と2線になって、鹿児島・日豊各上り旅客線を乗り越して海側へ出る。
415系は小倉駅7番線へ入線。停止してホームへ出たところでEH500のコンテナ編成が通過して行った。乗車した415系は曜日によって到着番線が変わる運行で、平日は7番線、休日は2番線到着となっていた。幸いこの日は7番線着であったので降りたホームで貨物線を撮影することができた。 小倉
下り貨物線を流れるコンテナ車を見送って思いがけない併走ショーは幕引きとなる。わずか数分、幸運なひと時を満喫した。バラエティ豊かなコンテナ編成の魅力に引き寄せられる契機となりそうだ。