転轍器

古き良き時代の鉄道情景

懐かしい駅構内風景


 友人の見送りで地下道から大分駅第3ホーム(日豊本線上り)へ上がって来た。何気なく撮った構内風景は当時は当り前の日常で何の感慨もなかった。今改めて見て国鉄時代の懐かしい情景が写っているのに気づく。ED7623は緩急車から離れている。2本の中線は留置車輛がいないので視界がきく。向かいのホームに「大分駅」のレタリングが目立つ青色の手押し車が並べられている。手荷物、小荷物や郵袋を載せてターレットで牽引されている様子が記憶に残っている。ホーム寄りのバラストの厚い本線脇は水タンクへの給水用のホースが等間隔に配置されている。ED76横の信号機は入換信号機だろうか。ホーム上屋から下っているのは列車の発車の際に点灯する出発反応標識と思われる。後方はテルハ、信号扱い所が見え、亜幹線の大きな駅の雰囲気が感じられる。 大分 S53(1978)/8

 向かいの第4ホーム(豊肥、久大本線)を見る。ホーム上屋の形と柱の組み方がよくわかる。上屋からは行灯式の駅名標、時計、時刻表と蛍光灯が吊り下げられている。柱にはホーム番線標、放送設備、ベル、拡声器が備えられている。「由布院⇔大分」のサボを掲げたオハ46はスハ43と外観は同じで軽量化で形式変更された車輛である。当時の普通客車列車は茶色と青色の混成でアクセントがあった。 大分 S53(1978)/8

 第2ホーム(日豊本線下り)から上屋を見上げる。駅名標と蛍光灯の配置がわかる。上屋の桁から優等列車の停車位置の号車札が下がって旅情を感じる。ホーム中央のワゴンは到着列車から降ろされた車販用のものか…。売店は営業終了でシャッターは閉じていた。 大分 S52(1977)/8

 DE10のエキゾーストが暗闇に映える。7番ホームに久大本線の最終列車が到着したところだ。ホーム柱の「上り10」の箱は何だろうか。 大分 S59(1984)/1/28

 6番ホームにも到着列車が停車していた。上屋から下がっている機材はカメラのようにも見えるが…。番線表示の明りと所々で点灯している合図灯は鉄道現場の躍動を伝えてくれる。 大分 S59(1984)/1/28