転轍器

古き良き時代の鉄道情景

船尾の印象(2)

f:id:c57115:20190222182157j:plain

 船尾駅日鉄鉱業専用線は本線からスイッチバックする形で弧を描くように敷かれている。遠くで発破の音が聞こえ、近くではベルトコンベアのモーターの音が鳴り響く、とても騒々しい構内であった。白い粉でウエザリングされたセキ6000や独特なスタイルの日鉄鉱業の私有貨車ホキ8000に目がいく。セキ6000は船尾から上戸畑や苅田港の専用区間表示がレタリングされていた。 船尾 S48(1973)/3/30

f:id:c57115:20190222182357j:plain

 日鉄鉱業のヤードで69632〔直〕が組成作業を行っている。ここから出て行く貨車は糸田線伊田線経由の枝光・上戸畑行が多いようだ。この時は緩急車はセフではなくてワフ21000が使われていた。 船尾 S48(1973)/3/30

f:id:c57115:20190222182629j:plain

  船尾駅上り場内信号機が建つ位置から駅方向を見る。駅も工場も山の中腹といったかなり高い位置にあることがわかる。 7374レ 後藤寺線船尾~起行(貨) S48(1973)/3/30

f:id:c57115:20190222182711j:plain

 69686〔後〕が石灰石を満載した8輛のホキを従えてゆっくりと勾配を下る。ヤードのレベルと本線の勾配を見ると、まるでスイッチバックをそろそろと下っているように見える。 7394レ 後藤寺線船尾~起行(貨) S48(1973)/3/30

f:id:c57115:20190222182754j:plain

 7494レの直前に出る後藤寺行の7394レは緩急車を付けていないこと、石灰石を満載して後藤寺行であることから、推測ではあるが、たぶん後藤寺でこのホキ編成を後発の7494レホラ編成の後部にドッキングするのであろう。田川線での7494レは後藤寺で逆編成になり、並びは機関車の次位がホキ、後半がホラが続いていることからもうなずける。緩急車無しの編成で本線を堂々と走行している。 69686〔後〕 7394レ 後藤寺線船尾~起行(貨) S48(1973)/3/30

f:id:c57115:20190222182855j:plain

 船尾~起行(貨)間はV字形の地形で中元寺川を挟んで船尾側14‰、起行側7‰の上り勾配となっている。船尾行は空車とはいえ14‰の上り勾配はキュウロクにとってはかなりの重労働のようである。 上戸畑発船尾行5595レ後藤寺線船尾~起行(貨) S48(1973)/3/30

f:id:c57115:20190222182931j:plain

 台地を下る9600重連の重量貨物。14‰の下りを加速がつかないようにゆっくりと進む。  後藤寺線船尾~起行(貨) S47(1972)/3/30