転轍器

古き良き時代の鉄道情景

美祢線の急行列車

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 美祢線は2本の急行列車が設定されていた。ひとつは鳥取と熊本を結ぶ“さんべ1・2号”で、もう1本は浜田と博多・天ヶ瀬を結ぶ“あきよし”である。気動車急行全盛時代はこのようないくつもの線をまたがる長距離急行が多く運転されていた。“あきよし”の運転経路は複雑で、上りを例に辿ってみる。天ヶ瀬編成は13:54天ヶ瀬発、日田彦山線経由で小倉に着く。いっぽう博多編成は15:03博多発、小倉で天ヶ瀬編成を連結し厚狭まで進む。厚狭で編成は分割され、天ヶ瀬編成は美祢線に入り、博多編成は小郡から山口線に入る。美祢線経由は長門市18:03発、益田19:55着。いっぽうの山口線経由は益田20:09着で、ここで再度併結して浜田をめざす。浜田21:31着。別々に発車して併合と分割を繰り返しながら終着をめざす驚くべき運用である。 厚狭川に沿って下り勾配を軽やかに行く熊本行急行4813D“さんべ2号”4輛編成  美祢線四郎ヶ原~南大嶺 S47(1972)/8/11