転轍器

古き良き時代の鉄道情景

153系

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 153系はカワイモデルのカタログでしか知らなかったが、この時初めて実物を見る。検修線のクハ153には交番検査の旗が掲げられていた。列車番号標記にある312Mは下関発岡山行“山陽7号”で、急行“山陽”は下関・小郡・南岩国・広島と岡山を結ぶ8往復が設定されていた。 クハ153-5〔広セキ〕 下関運転所 S49(1974)/5/2

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 「カワイモデルカタログNo.13/1971年版(昭和46年8月発行)」から。153系は東海形電車として紹介され、クハ153は500番台の新形式と記されている。

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 初めて見た153系は前面窓が大きい初期の顔で、この時はよりスマートになった高床運転台のタイプであった。前面の塗分けがないクハ153はまるでペーパー車体に真鍮の前面パーツを付けたように見える。撮影時の山陽本線西部は各停は80系、快速は153系で運用されていた。 山陽本線小野田 S52(1977)/8/7

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 153系のネガは他にないか探して出てきたひとコマ。撮影後46年経って初めてネガキャリアに挟み、引き伸ばし機のランプを灯して露光させた、ような錯覚を覚える。列車は前後のネガから東京発静岡行“東海4号”とわかる。ブルートレインを待っていた時に現れた153系急行であった。当時、何の感慨もなく撮った3枚の153系は今になって貴重な記録と思えるようになった。 307M 東海道本線品川~川崎 S49(1974)/10