転轍器

古き良き時代の鉄道情景

鉄道シーンがうかぶ思い出の歌

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 私の鉄道写真は車輌を記録するのが主で叙情的な描写は苦手と思える。昭和51年に発表した西島三重子の「池上線」は歌詞の沿線描写がすばらしく心をわしづかみにされた。いつもの決まりきった電車の構図から離れ、「商店街を通り抜け踏切渡った時♪」の曲に酔いしれながら構えてみた。 池上線石川台 S53(1978)/2

 遠い青春時代は思い出の歌、心の歌があり、その曲や歌詞はその時の自分に重ねたり、よりどころにしたりとありがたい存在であった。「池上線」を始めとして都会の電車シーンがうかぶ曲に数多く出会い懐かしく口ずさむ。野口五郎「私鉄沿線」、猫「地下鉄に乗って」、さだまさし檸檬」、吉田拓郎「高円寺」、井上陽水「あかずの踏切り」、マイペース「東京」、中島みゆき「ホームにて」、狩人「あずさ2号」等々枚挙にいとまがない。

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 「東へ走る夜汽車の音についつい誘われて家を出て♪」は海援隊昭和49年作の「故郷未だ忘れ難く」で夜汽車の響きはとてもセンチメンタルだ。九州から東へ向かう夜汽車は数多くあり、私も同時期に東行夜行の人となり、この歌詞と重ねてしまう。 東へ向かうブルートレイン 門司 S52(1977)/8

 機関車が牽く列車を思いうかべる歌は夜汽車、貨物列車、汽笛、レール、旅路等郷愁さそうワードが登場する。海援隊「思えば遠くへ来たもんだ」は「踏切の側に咲くコスモスの花ゆれて貨物列車が走り過ぎる♪」、「レールの響き聞きながら遥かな旅路を夢みてた♪」、「夜汽車の汽笛聞くたびに♪」と鉄道情景がうかぶ。かぐや姫「ひとりきり」は「汽車はゆくよ煙はいてトンネル越えれば竹中だ♪」と豊肥本線竹中駅の景色が鮮明によみがえる。同じくかぐや姫赤ちょうちん」、イルカ「なごり雪」、猫「各駅停車」、ちあきなおみ喝采」、みなみらんぼうウイスキーの小瓶」、はしだのりひことクライマックス「花嫁」等々どれも私だけの汽車シーンの魅力に酔いしれる。