転轍器

古き良き時代の鉄道情景

熊本市交通局 水前寺駅通

 ドライブ旅行で通った熊本市内。市電の通る景色に無視できずそこここでスナップはしたものの、その後ネガに光が通ることなくデジタル時代の今日までネガ袋で眠ったままとなっていた。撮っただけでその後の整理もなされていないので撮影場所の特定に手を焼くことがある。しかし路面電車の写真は交通信号機の交差点名標識や電柱の住居表示等が写り込んで意外と簡単にわかったりする。

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 「白山3丁目」の交差点で信号停車。豊肥本線のガードを潜って来た電車は「臨」のサボを付け「交通局前」を出した1350形1355であった。架線を吊るスパン線から下がる標記は「右折車軌道外待機」と読める。後方の清涼飲料水の広告看板や丸善石油のつばめマークが懐かしい。 味噌天神前~水前寺駅通 S55(1980)/8/17

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 国府を出た1350形1354が上り坂をかけ登って来る。手前に「軌道内通行禁止」の標記板が設置されている。後方に見える円形の建物は教室を扇形に配置した珍しい構造の私立熊本女子商業高校の校舎のようだ。 国府水前寺公園 S55(1980)/8/17

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 撮影時は1050・1060・1080・1090・1200・1350の各形式があり、1350形は6輌在籍していた。どれも同じような顔に見えるがバックミラーの位置と向きにいくつかのパターンがあるようだ。  国府水前寺公園 S55(1980)/8/17

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 方向幕「熊本駅・田崎橋」を出した1090形1095が来た。道路上に規則正しく張られた2条の架線のラインが幾何学模様のように見える。 国府水前寺公園 S55(1980)/8/17

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 大都会に変貌した元水前寺駅通。JR水前寺駅と市電水前寺公園駅通の乗換えは不便であったことから交差する位置に新水前寺駅が設置され、水前寺駅通電停が移動しJR線と直結されアクセスが改善された。その際電停名は新水前寺駅前に改められた。 9200形9205 新水前寺駅前~国府 H24(2012)/12/2