転轍器

古き良き時代の鉄道情景

伊豆急行

 伊豆半島東海岸を走る鉄道を眺めると、東海道本線熱海から分岐する伊東線は熱海~伊東感間16.9㎞、それに続く伊豆急行線は伊東~伊豆急下田間45.7㎞で国鉄と私鉄が相互乗入れする観光路線である。伊豆急行線は私鉄とはいえ国鉄線に乗入れる関係からか、いわゆる“私鉄”らしさを感じさせないブルー系のツートンカラーが美しい100系国鉄車輌のように見えたものだ。前面貫通形の20m車体2ドア、そして長編成で来るとまさに国鉄の急行形と錯覚してしまいそうだが、おでこの2つライトが何とも不似合であった。ちなみに塗色の名称はハワイアンブルーとオーシャングリーンというらしい。

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 伊東は国鉄伊東線の終点で昭和36年に開通した伊豆急行線の起点駅でもある。山側のヤードに並ぶ黒い貨車と華やかな私鉄電車が同居する光景が奇異に映る。伊東線の貨物列車は国府津発の下り貨物を見ているので新鶴見のEF15が伊東まで牽いて来ていたのかもしれない。 伊豆急行クモハ111 伊藤線伊東 S51(1976)/2/5

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 伊豆急下田発熱海行2642M クモハ128 伊豆急行線片瀬白田 S51(1976)/2/6

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 「臨時」の幕を出した167系が通過する。列車番号は「臨9726」と読める。 伊豆急行線片瀬白田 S51(1976)/2/6

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 ハワイアンブルー伊豆急長編成電車が国鉄線を疾走する。後追いでカメラを構える若き日の自分がフロントガラスに映っている。伊東線は熱海~来宮間だけは複線でホームのないとなりの東海道本線と並ぶと複々線のように見える。 クモハ117 伊東線来宮 S51(1976)/2/6