転轍器

古き良き時代の鉄道情景

丸ノ内線四ツ谷

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 国電乗換えのため下車した四ツ谷は視界が開けた地上駅であった。電車が通り過ぎて目に映った光景は、異様に広く感じる線路の幅、電車線なのに架線が無い、第3軌条が路盤を這う、ジェットコースターのような急勾配で地下から地上に駆け上がりまた地下に潜るさまは、何か日本とは思えない外国の鉄道シーンのように思えた。先頭車輌から降車し、前方に人がいなかったのでカメラを取り出してスナップしたように記憶している。丸ノ内線の電車はシンプルなデザインの赤い車体に波模様が連続する白い帯が巻かれていた印象がある。
 当時の交通公社の時刻表は巻末の赤いページ(国鉄の営業案内)の次に黄色のページがあり、それは「国鉄バス・会社線」の案内で全国の鉄道からバス、船舶、航空まで“のりもの”の全てが網羅されていた。関東地方のページを開くと東京近郊私鉄各線に丸ノ内線は掲載されていた。
 丸ノ内線は池袋~荻窪営業キロ24.2Km運賃200円、中野坂上方南町間同3.2Km100円。四ツ谷駅を見ると初電荻窪行5:28池袋行5:22、終電荻窪行0:07池袋行23:55、この間2~4分毎と記載されている。
 遠いあの時代を懐かしむ。 帝都高速度交通営団丸ノ内線四ツ谷 S55(1980)/3