転轍器

古き良き時代の鉄道情景

秩父鉄道

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 濃いめのベージュにあずき色のような塗分けのおでこの丸い吊り掛け電車が入って来た。ウインドシルとヘッダーに挟まれたHゴム支持の3枚窓が独特な顔の表情を作っている。電車を迎える手旗を持った姿勢の正しい駅長の姿は良き時代の鉄道情景といえる。ホーム先端には秩父札所巡り“23番札所”が駅から近いことを伝えている。 秩父鉄道長瀞 S51(1976)/6/26

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 なんとも無骨な機関車を撮っていた。ただ撮っただけの当時は何の感慨もなかったが歳を重ねた今になって貴重な電機の魅力を感じるようになった。この機関車は趣味誌の記事から、アメリカのウエスティングハウス、ボールドウイン製で大正11(1922)年に輸入されたとのことであった。石灰石輸送の為の電化はこの時代の最先端を行っていたものと思われる。撮影時は55年もの年月が過ぎていたが未だ元気に貨物列車の先頭に立っていた。 デキ1 秩父鉄道寄居 S52(1977)/5/22