転轍器

古き良き時代の鉄道情景

早月川橋梁

 早月川は剣岳を水源に富山湾に注ぐ川で、複線の北陸本線と単線の富山地方鉄道のいずれも味のあるデッキガーダーの鉄橋が架かっていた。車窓から見える日本海の風景に魅かれて下車したものの、海をとり込む構図よりもバラエティ豊かな電車や列車が優先する結果となった。川の土砂は直前の台風17号がもたらしたものと思われる。

f:id:c57115:20210701172254j:plain

 北陸本線富山以東の普通列車は客車列車に混じって気動車列車も富山~糸魚川直江津間に設定されていた。キハ20系と55系で組まれた編成は新潟運転所もしくは富山第一機関区の車輌であろう。 北陸本線東滑川~魚津 S51(1976)/9/15

f:id:c57115:20210701172345j:plain

 早月川橋梁魚津寄りは石積みの橋脚とグリーン塗装のデッキガーターで時代の重みを感じる。グレイの架線柱がアンバランスに映る。新潟発大阪行“北越1号”は食堂車の入った12輌編成であった。 4006M 北陸本線東滑川~魚津 S51(1976)/9/15

f:id:c57115:20210701172430j:plain

 7541と標記された味のある電車が現れた。貫通幌でしまった顔に見え、美しい屋根のカーブは「半流」と呼ばれる旧形国電の顔に似ているように思える。 富山地方鉄道本線越中中村~西魚津  S51(1976)/9/15

f:id:c57115:20210701172521j:plain

 2輌めは7542と読め、こちら側は前面3枚窓のかわいい顔をしている。それぞれにパンタが上がりMM編成のようだ。塗色はクリームと朱色の国鉄気動車色の塗分けのように見える。 富山地方鉄道本線越中中村~西魚津 S51(1976)/9/15

f:id:c57115:20210701172615j:plain

 富山地鉄はコンクリートピーアとデッキガーターの組合せだ。ブルーに白ラインのこの電車は14710形というらしく、前面おでこに標記されるナンバーはモハは5桁の、クハは2桁の数字が記され、何かアンバランスな気がする。 富山地方鉄道本線越中中村~西魚津 S51(1976)/9/15

f:id:c57115:20210701172726j:plain

 台風一過で天気は青空が広がっていたが川の水は濁っていた。白地に窓回り灰色と赤の帯の入った特急が行く。 富山地方鉄道本線越中中村~西魚津 S51(1976)/9/15

f:id:c57115:20210701172851j:plain

 新潟発大阪行急行“越後”6輌編成。この列車は金沢から輪島・珠洲発“ゆのくに1号”を併結する。 502D 北陸本線東滑川~魚津 S51(1976)/9/15

f:id:c57115:20210701172955j:plain

 金沢発青森行“しらゆき”と金沢発松本行“白馬”の併結列車。松本行はこの先糸魚川で分割され大糸線を走破する。 503D 北陸本線東滑川~魚津 S51(1976)/9/15

f:id:c57115:20210701173049j:plain

 EF81の牽くナハ10系で組まれた富山発直江津行の普通列車。EF81は日本海縦貫線の主力として敦賀第二・富山第二・酒田に配備されていた。旅客・貨物ともEF81には会ったがEF70は影が薄くなっていたように感じた。 245レ 北陸本線東滑川~魚津 S51(1976)/9/15

f:id:c57115:20210701173202j:plain

 丸味を帯びた両運の電車は14770形というらしい。手前の14750形も両運車で顔は両サイドで貫通扉ありとなしで異なっている。 富山地方鉄道本線越中中村~西魚津 S51(1976)/9/15

f:id:c57115:20210701173259j:plain

 後方に富山湾が見える。富山湾へは早月川の他に東から布施川・片貝川・角川・上市川・常願寺川神通川などが注いでいる。富山地方鉄道の鉄道線と軌道線は富山平野でのさまざまな鉄橋の構図が展開していることだろう。