転轍器

古き良き時代の鉄道情景

門司駅前 西鉄北九州本線

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 145は戦前製らしく前面は傾斜のついたいわゆる流線形のスタイルであった。以前の塗装の上回りクリーム、下回りオレンジの塗分けの時に会ってみたかった。方向幕は「幸町⇒門司」が掲出され、戸畑線で大門もしくは枝光線から中央町経由で来たものと思われる。行先表示の筆字は何ともいえない味があり北九州市内線電車とよくマッチしていた。 門司駅前 S60(1985)/4/7

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 門司駅前電停は小倉方面と門司方面のホームがちどり式に配置されていた。安全地帯標識の上の電照式電停看板がその存在を示している。後方建物の広告看板に目をやると、門司工場があった「サッポロビール」が目に飛び込んでくる。その下は「ミスタードーナツ」のロゴ看板が見え、画面右側のタペストリーは「貸しレコード」の文字が踊っている。新旧の時代のトレンドが同居しているようだ。 門司駅前 S60(1985)/4/8

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 到津車庫前行625が門司駅前を発車した。601系の車体はとてもスマートに見える。張上屋根の丸味のある車体と側面のバス窓は愛嬌があるように感じる。 門司駅前~原町 S60(1985)/4/8

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 雨降る夕刻の門司駅前は電車やバスが忙しく往来している。門司行601の扉が開き、降車客が傘を差して出ようとしているところに反対側から折尾行643が近づいて来た。 門司駅前 S60(1985)/4/7

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 駅前の金融機関が並ぶ通りを601系643が行く。 門司駅前~原町 S60(1985)/4/7

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 賑やかな門司駅前の通りは国道3号線。手前の交差点を右に入ると海岸通りの国道199号線に出る。北九州本線の門司~砂津間は昭和60年10月に廃止されているので、この時の偶然の通りすがりのスナップはラストチャンスであった。 大里~門司駅前 S60(1985)/4/8

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 門司港から国道3号線を下る際の信号停車で坂を上って来た587をスナップ。逆光の先に大きなショッピングセンターが蜃気楼のように見える。 市立門司病院前~大里東口 S60(1985)/4/8

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 片側1車線の車道の中央を北九州本線がモータリゼーションの波に負けずに走っていた。路面電車の良き時代が終わろうとする時にこの光景を切取ることができたのは幸運であった。 新町~赤坂 590 S60(1985)/4/8