全日程を終了し別府で乗客を降ろした“豊の国号”C581が12系客車5連を牽いて大分へ戻って来た。大分構内が塞がっているのか、下り場内信号機手前で足止めされている。最徐行から停車したので、まるで回りの見学者や撮影者のためのサービスかと勘違いしそう。踏切待ちの車の列はしばらく動けそうにない。上りの単機ED7680〔大〕は西大分発コンテナ列車の牽引機のようだ。 回9705レ 日豊本線西大分~大分 S56(1981)/12/11
牛歩の如く、そろりそろりと前進するC581。“豊の国号”最終日の余韻を味あわせてくれているかのようだ。誰も動かずC581への視線もそらさない。それに呼応するかのように上り単機の機関車もこちらを見守っているように徐行している。 回9705レ 日豊本線西大分~大分 S56(1981)/12/11
“豊の国号”幕切れを迎える。まるでエンドロールが動き始めたようにC581はゆっくりと歩を進め、ファインダーから遠ざかって行った。“豊の国号”C581は私が国鉄時代に撮った最後の蒸機列車となった。