
日田彦山線線路跡は幸いにも彦山~宝珠山間が専用道に整備され、ひこぼしラインBRTが走るので、以前の鉄道線が味わえると乗車の機会をうかがっていた。

“日田彦山線BRTひこぼしライン”が開業して早や2年が経っていた。鉄道線跡を楽しみに日田駅を訪れる。駅前バス乗場は「BRT添田」行先表示のHIKOBOSHI LINEラッピングが待機していた。車輛は写真の中形ディーゼルバスと小形電気バスで運用されているようだ。“ひこぼし4号”添田行は日田8:15発。


国道386号線を右折し、花月川右岸に位置する光岡駅に寄る。光岡8:25発。 R4(2022)/9/4


夜明駅から階段を下りた国道脇にBRT乗場が設けられている。夜明8:38発。

やまなみカラーのBRT日田行が夜明に入る。

日田彦山線のレールが剥がされる前の夜明駅。 R4(2022)/9/4

夜明で杷木・甘木方向と別れて国道211号線を北上する。車窓右手は大肥川の向う岸に続く鉄道の築堤が確認できる。


大肥川沿いの国道211号線を右折、川を渡って河岸段丘にある今山駅に向かう。今山8:47発。

あやめカラーのBRT添田行が今山に入る。




宝珠山では“ひこぼし4号”添田行と“ひこぼし3号”日田行が交換する。日田行はひこぼしラインのメンバーではないJR九州バスのオリジナル車であった。

宝珠山から彦山まで専用道を走る。日田彦山線線路跡を味わう。 宝珠山8:58発。


大行司駅上下ホームがそのまま残っているのに感激する。 大行司9:02発。

大行司に到着したキハ66・67編成を撮ったのはちょうど40年前であった。 S60(1985)/4/10


大行司から筑前岩屋まで駅間4.2Km、25‰の上り勾配が続く。第二大行司、宝珠山、栗木野川橋梁のコンクリートアーチ橋は雄大だ。

筑前岩屋9:10発。前方に4,379mの釈迦ヶ岳トンネルの坑口が見える。ゆっくりと通りぬける長いトンネルは照明で明るく、側壁は蒸気機関車や気動車の苦闘の痕跡は感じられなかった。

時が刻まれたトンネルポータル。


彦山9:24発。専用道はここまでで坂道を下って一般道に下りる。

49年前、昭和51(1976)年撮影の国鉄日田彦山線彦山駅。


分水嶺を過ぎると彦山川に沿って直方平野へと下って行く。列車が来るのではないかと思わせる築堤が車窓に映る。豊前桝田9:31発。


“ひこぼし4号”添田9:47着。日田から約1時間半の旅であった。

鉄道とBRTが同じホームで接続する光景を初めて見た。かつては日田彦山線の上下線のホームだったな、そして少し離れた添田線と駅本屋を結ぶ跨線橋があったなあ、と思いながら感慨にふける。

田川後藤寺行キハ147は“ひこぼしライン”塗装をまとっていた。

かつての添田駅の面影。

添田からの帰りは水郷カラーの小形電気バスがやって来た。

BRTになって一般道の停留所が増えて便利にはなったようだが、日田~添田間の所要時間は約1時間半ほどかかる。鉄道時代は両駅間に光岡・夜明・今山・大鶴・宝珠山・大行司・筑前岩屋・彦山・豊前桝田の8駅があって約1時間10分位であった。鉄道時代の築堤がきれいに残っている箇所もあって、専用道の区間がもう少しあってもよかったのにと思いながらの乗車であった。
撮影:特記以外はR7(2025)/9/14 10/1