転轍器

古き良き時代の鉄道情景

由布院


 由布院上り方から構内を望む。蒸機時代、この位置でD60牽引の発車風景の写真をよく目にしてきた。その当時は2本の背の高い腕木式出発信号機が建っていた。時は平成時代、キハ58は新たな急行色の衣装を纏い、信号機も自動化されているが、あの蒸機時代のままの景色が未だ残っているのに気づく。1番線から分岐した2線の貨物線が健在である。本線上に停車した貨物列車から離れて入換するD60の写真を思い出す。駐屯地が近くにあったことから戦車や装甲車が積載された長物車をこの側線にD60が押し込んでいたものと思われる。また3番線分岐の位置に転轍小屋が残っている。蒸機時代は各駅上り、下り方のポイント付近に必ず存在し、ポイント転換の為に駅本屋から職員が出てきて転轍小屋で待機していた。懐かしい鉄道情景である。 久大本線由布院 H2(1990)/3