転轍器

古き良き時代の鉄道情景

遠賀川の朝

 遠賀川駅早朝の情景。行灯式の番線案内や駅名表示の白色灯と、遠く薄もやに浮かびあがる出発信号機の赤色が旅情をそそる。

 鹿児島本線上下線と中線の間は古レールで組まれた味のある跨線橋が架けられていた。2番ホームは鹿児島本線下りで室木線の3番ホームとは対照的に本州からの下り夜行列車が次々と通過して行く。

 鹿児島本線上り南福岡発防府行電車が1番ホームに入って来た。たくさんの乗客が待っている。 1224M 6:09発

 遠賀川で室木線始発に乗車するには、都城からの吉都線肥薩線経由の、長崎・佐世保からの、日豊本線西鹿児島からの何れも九州島内夜行列車では間に合わず、本州からの夜行は門司港始発初電乗り継ぎで可能であった。撮影時は比較的空いていた季節急行“桜島”で九州入りしたとのこと。
 室木からの上り一番列車が5輛の客車を従えて入って来た。 822レ 6:26着

 すぐさま客車から離れて転線、機回しに取りかかる。

 赤々とヘッドライトを光らせる58694〔若〕が今来た編成の後部に接近する。

 オハフ61に連結完了。室木線一番列車として出発進行。 6:36発

 写真は全て:小川秀三さん 遠賀川 S44(1969)/3/28