転轍器

古き良き時代の鉄道情景

2021-03-01から1ヶ月間の記事一覧

マニ36雑感

自分が撮ったマニ36の事は「荷物車・郵便車の世界ー昭和50年代のマニ・オユの記録ー」(クリエイティブモア/平成15年10月刊)によって掘り進めていくことができた。この書籍は改造で生まれたマニ36達のその前歴と背景、複雑な経緯や区分、形態等が詳細に解説…

私が出会った2輌のマニ60

突然現れた列車の中間に荷物車が連結されていたので咄嗟にシャッターを押した。ナンバーはマニ60599と読める。「鉄道ピクトリアルNo.702(平成13年6月号)60系鋼体化客車(Ⅱ)」に掲載された車歴表で、マニ60599は昭和37年11月、オハニ61196からの改造と記されて…

マニ372016

旧形客車の塗色は国鉄制定色では茶色はぶどう色2号、青色は青15号と呼ばれている。荷物列車の編成を見ているとぶどう色の客車に混じって青色のそれはひときわ鮮やかに映ったものだ。青色のマニ37はパレット積載の荷物車で37輌が改造されている。昭和48年の配…

ワサフ8000とワキ8000のこと

茶色や青色の、車高はまちまちなれど車長は揃ったさまざまな形式の荷物列車の編成はなかなか魅力的であった。昭和50年代になると旧形が姿を消し、車長が揃わない灰色や鮮やかな青色のまるで貨車のようなリブとプレス構造のワキやスニと呼ばれる新系列車が加…

幸崎の濃硫酸専用タンク車

幸崎でとりあえず撮ったタンク車の形式写真をまとめてみると、濃硫酸専用のタンク車で形式はタム400・タキ300・タキ4000・タキ5750の4形式に集約された。幸崎は佐賀関精錬所で銅の精錬の際にできる濃硫酸の積出基地で日本鉱業を始めとする私有貨車が集結して…

幸崎

日豊本線を大分から下りに乗ると高城、鶴崎にかけて臨海工業地帯を左に見て大野川を渡ると田園が開け大在、坂ノ市を過ぎる。東に向かう線路は子猫川を渡る直前に一気に右に90度曲がって大分から5つめの幸崎に着く。鉄道建設期の大正時代は佐伯線と呼ばれ幸崎…

箱根登山鉄道

朱色と灰色のコントラストが美しい登山電車に乗って箱根の山は天下の険、強羅へやって来た。登山電車ということだけあって80‰の勾配はケーブルカーのような錯覚におちいる。途中3箇所のスイッチバックは勾配の凄さを実感するのと、運転士と車掌が前後入れ替…

伊豆急行

伊豆半島東海岸を走る鉄道を眺めると、東海道本線熱海から分岐する伊東線は熱海~伊東感間16.9㎞、それに続く伊豆急行線は伊東~伊豆急下田間45.7㎞で国鉄と私鉄が相互乗入れする観光路線である。伊豆急行線は私鉄とはいえ国鉄線に乗入れる関係からか、いわ…

構内立ち入りができなかった若松機関区

昭和45年の夏休みは初めて筑豊に足を踏み入れる。心踊らせて若松機関区の門をたたくも、事故防止のため構内の立入は曜日と時間を定めて制限しているとのこと、遠路から申し訳ないが出直してほしいと告げられ、構内に駐機する機関車を指をくわえて見るだけで…

若松機関区

筑豊本線の旅客列車は門ワカの客車と共に若松機関区所属機が担当してきた。時代とともに8620・C51・D50・C55・C57と変遷を重ね蒸機末期はD60・D51へと移り変わっていた。独特なスタイルのデフレクタを装備したC5552〔若〕は鳥栖・大分・宮崎を経て昭和43年に…