転轍器

古き良き時代の鉄道情景

2018-01-01から1年間の記事一覧

大分運転所のC58

C58は丙線区向けの客貨両用の機関車として昭和20年代、久大本線と豊肥本線に投入されていた。久大本線は豊後森に、豊肥本線は宮地に配置されていたが運用の合理化で昭和24年大分へ集約されている。宮地のナンバーは21・33・34・47・48・423・424・426・427の9輛、…

EF58 ひと桁ナンバー

ネガフォルダに眠る写りの悪いコマの中にEF58のひと桁ナンバーがあるのに気づく。暗くてよく見えないが、せっかく撮ったので何とか日の目を見ることができないかレタッチして9番の顔だけはわかるようになった。下関運転所を訪れた時は新幹線開通前で25輛の…

ED16の思い出

昭和49年春、上京して初めて降り立った駅は華やかな山手線目黒駅であった。そこから緑色一色の3輛編成の電車に乗り、今来た山手線の線路を見下ろしながら急勾配を下り大岡山という駅で下車する。今度は同じ緑色ではあるが少し長い編成に乗り、大きな川を渡り…

中山宿

昭和49年初夏、磐越西線中山宿駅に降り立つ。当時この地の知識など何もなく、只見、日中線のC11を撮った帰りに案内人に従ってこれも初めて見るED77を撮るためであった。後年趣味誌でここで奮闘したD50の雄姿を見るたびにこの駅で下車したことを思い出す…

由布1号

40年前に撮った急行列車のネガがある。撮影場所と列車名は記録がなく、国道が線路をオーバークロスした位置からたまたま接近して来た列車にカメラを向けた記憶が残っている。当時の地図を見ると、水分峠から玖珠盆地までは交差箇所は少なく、駅間は引治〜豊…

懐かしい駅構内風景

友人の見送りで地下道から大分駅第3ホーム(日豊本線上り)へ上がって来た。何気なく撮った構内風景は当時は当り前の日常で何の感慨もなかった。今改めて見て国鉄時代の懐かしい情景が写っているのに気づく。ED7623は緩急車から離れている。2本の中線は留…

日南5号

高城駅の改札口から構内を見る。6輛編成の急行列車が運転停車している。車掌が対向列車の接近を待っているように見える。撮影時、日豊本線の列車体系はL特急の“にちりん”を始めとして、急行は475系の大分系統“ゆのか”、宮崎系統“日南”、そして気動車の鹿児…

大分港駅の記憶

大分港駅の開業年月は「貨物駅・信号場変遷一覧」(国鉄全線各駅停車⑩九州720駅/小学館/昭和58年刊)によると昭和30年12月1日と記載されている。ちなみに日豊本線の貨物支線は苅田港と細島があった。西大分からの臨港線の存在は知ってはいたが、列車が通るの…

ひたひこ鉄道写真展

門司港レトロで開催された「ひたひこ鉄道写真展」に行ってきた。田川地域全域を総称する“田川まるごと博物館”を運営する田川広域観光協会の主催で、地域に関連する日田彦山線、田川線、添田線の写真が展示されていた。 会場の壁面全面に展開された大パノラマ…

D60の配置と動向について

D60の分布と動向を手元にある配置表から辿ってみた。D50から改造された78輛のD60は昭和32年の時点で9箇所に配備され、根室本線、横黒線、磐越東線、紀勢本線、山口線、筑豊本線、日豊本線、久大本線で使われていたようだ。(北上線はこの時点では横黒線の…

大分運転所のD60

D60は幹線系で使用されたD50を丙線区へ投入すべく軸重軽減の改造が行われた機関車である。昭和20年代の久大本線はC58と8620の走行線区であったが、輸送力増強と速度向上のため昭和29年から30年にかけてD60が大分に配備された。これより久大本線D60の歴…

宇島

昭和40年代中頃、筑豊からの撮影の帰り、行橋から乗車する下り急行“ゆのか”の最初の停車駅が宇島であった。幾度かの通過で宇島構内は強烈な印象が残っている。宇島は2面3線の配線で、列車が海側3番線に入ると進行方向左側の車窓は広大な貨物ヤードを見ること…

タム400

タム10410 形式タム400 同和鉱業株式会社 濃硫酸専用 侵(禁水)84 南岡山駅常備 臨時常備駅幸崎 幸崎 S60(1985)/8 模型のような2軸のタンク車タム400は、タンク体の形状やドームの有無など豊富なバラエティがあるようだ。タム10410は上回りの手摺りの高さに…

会津若松

44年前に訪れた会津若松駅の情景は初の東北で強烈な印象が残っている。当時の記憶が時の流れに埋没する前に駅頭スナップを懐かしんでみたい。写真は跨線橋から磐越西線郡山、新津方面を望んだ景色で、モハ454の屋根上の賑やかな碍子やユニットクーラーに目が…

日中線

日中線は福島県喜多方と山形県米沢を結ぶ鉄道として計画されたが、他地域の建設予定線と同じように工事途上で建設中止された盲腸線である。喜多方ー会津村松ー上三宮ー会津加納ー熱塩16.5kmの路線で日に3往復が運転されていた。熱塩の駅舎は屋根の深いしゃれ…

日豊本線大分川橋梁

鉄道写真を撮り始めた昭和44年当時、日豊本線大分以南はC57・C58・8620・9600・D51が走り、それらを撮りに大分川付近へは足繁く通った場所である。大分川に架かる大分川橋梁は煉瓦の橋脚とプレートガーダーの蒸機列車の似合う趣きのある鉄橋であったが、…

タキ5450

黄色いタンク車、タキ5450は黒い貨物列車の中でとても目立つ存在で、また魅力多いタンク車であった。模型メーカーで製品化され精密モデルが発売されてはいるが、残念ながら高価格で自分の物にはできていない。黄色の塗色は毒性の強い塩素が積荷のため高圧ガ…

会津宮下

只見線は福島県は磐越西線会津若松から新潟県は上越線小出まで135㎞の路線である。只見川沿いにダムを建設する為の電源開発路線として建設され、小刻みに線路を延ばし、昭和46年に全線が開通している。会津宮下は昭和31年までは終着駅で、機関車の駐泊所が置…

キハユニ2641

会津若松発小出行3輛編成に組まれたキハユニ26を撮る。当時は意識もしない朱色とクリームのきれいな車体が写っている。キハ25200番台を基本とした郵便荷物合造車で、形の良いDT22台車を履いている。サイドは「荷物」、「郵〒便」の筆字調のレタリングに目…

磐越西線のDD51

DD5120〔東新〕牽引の郡山発新津行下り233レは磐越西線176kmを約5時間かけて走り通す。牽引機は会津若松でED77から東新潟機関区のDD51に交代する。スユニが付いた5輛編成の客車列車は亜幹線の趣を漂わせてくれる。 磐越西線喜多方 S49(1974)/6/15 5輛編成の…

公会堂前

長崎市の繁華街にある公会堂前交差点は路面電車2系統の複線がT字形に交差するデルタ線が敷設されていた。その位置の横断歩道橋から夕暮れせまる長崎市街、諏訪神社方向を見る。ヘッドライトを点灯させたビューゲルの308が接近してきた。 長崎電気軌道公会堂…

大分運転所のDF50

日豊本線はトンネルの多さと急勾配の連続で九州ではいち早くディーゼル機関車が投入された線区である。昭和33年には大分に姿を見せ試運転を始めている。本格的配置は昭和34年の新製車7輛で始まり、漸次35年6輛、36年3輛、37年1輛と増備され17輛までになった…

大淀川

パシフィックとハドソンが生息する南国宮崎へ赴く。当時の趣味誌の影響で“宮崎へ行ったら大淀川とフェニックスは欠かせないポイント”として大淀川河畔へ引き寄せられたような気がする。 昭和47年初頭、大淀川橋梁に架線柱はまだ建っていない。曇り空の下、南…

20系“富士”15輛編成

日豊本線寝台特急の歴史は昭和38年6月、“みずほ”の附属編成に簡易電源車マヤ20を伴っての大分乗入れで始まる。翌39年10月、“みずほ”の大分編成が単独運転となって東京〜大分間“富士”が誕生、晴れて基本編成が大分入りする。40年10月は大分〜西鹿児島間が延長…

78684

78684〔大〕は前照灯を装備しない入換専用機。機関車の系譜図4(臼井茂信著/交友社/昭和53年11月刊)に昭和42年当時のこの機関車の写真が掲載されている。煙突は美しい化粧煙突の姿で、パイプ煙突に交換されたのはこの後と思われる。前照灯はこの時すでに標…

夕刻の大行司

菜の花と桜の咲く夕刻の大行司はキハ66・67同士の交換が見られる。小倉発日田行キハ6614〔門カタ〕先頭の743Dが先に到着。しばらくして日田発門司港行キハ677〔門カタ〕先頭の744Dが入線。キハ66・674連同士が山間の小駅に並ぶ。8輛の大出力エンジンがアイ…

西大分ヤード

①駅前の広場から見た西大分駅本屋。民営化になったばかりで国鉄時代の面影が漂っている。西大分は単純な旅客駅ではなくコンテナ取扱駅なので、その構内配線に興味を奪われる。1面2線の旅客線と1面3線のコンテナ取扱設備、そして3線の留置線はコンパクトで模…

D511032

由布市のホームページに湯布院中央児童公園に保存されているD511032の引取り希望者の募集案内が掲載されていた。以下ホームページから。「蒸気機関車D511032号は、これまで子どもたちを含む市民の方はじめ、観光客へ、鉄道の文化資源としてのPR効果と、…

オロネ10大ミハ車の謎

日頃見かけない車輛が停まっていたのでカメラを向けたであろう2輛のオロネ10を撮っていた。宮原のクルマが何故大分に居るのか不思議ではあったがそのまま時は経過していた。写っていたのはオロネ10の2番と30番である。配置と車歴を調べてみると、昭和39年は1…

門司〜小倉間偶然の併走

数十年ぶりに門司駅に降り立った。この位置からはEF30重連回送やDD51牽引のホキ編成が眼前を通過する懐かしい光景が蘇ってくる。下り電車を待っていると関門トンネルから長いコンテナ編成が姿を現した。 門司 H30(2018)/1 多種多様なコンテナがリズミカ…