転轍器

古き良き時代の鉄道情景

玖珠盆地の東端

 久大本線の恵良から引治、豊後中村にかけては玖珠盆地を抜けて飯田高原北の端をさらなる上り勾配が続く。

 野焼きの跡を感じるきれいな築堤をD6057〔大〕が客車5輛を従えてR300の左曲線に姿を現す。勾配標が示す通り引治を出ると鳴子川の鉄橋まで25‰の上り勾配だ。 1635レ 久大本線引治~豊後中村 S44(1969)/4/1

 鳴子川橋梁を渡ると野上トンネルが待っている。鉄橋を渡る轟音は周りののどかな風景で聞こえるひばりのさえずりをかき消す。 1635レ 久大本線引治~豊後中村 S44(1969)/4/1

 引治駅は野上川が玖珠川本流に合流した位置にあり、駅を出るとカーブした玖珠川橋梁が待っている。D6067〔大〕が鹿鉄標記のヨ1輛を連れて鉄橋を渡る。 6696レ 久大本線恵良~引治 S44(1969)/4/1

 郡山装備2灯のD6058〔大〕が引治を発車して玖珠川橋梁に差しかかる。藁小積みときれいな築堤、はえたたきが写る古き良き鉄道情景に心が染みる。 638レ 久大本線恵良~引治 S44(1969)/4/1

 新車キハ45601〔分オイ〕が早くも運用に就いていた。気動車の方向幕に「久留米」と行先が表示されるのは当時画期的であった。キハ45600番台は簡易郵便荷物車として2輛(601・602)が大分運転所に新製配置された。 636D 久大本線引治 S44(1969)/4/1

 引治駅から見た玖珠川橋梁。上り列車はここから高度を下げて玖珠盆地へと下りて行く。 久大本線引治 S44(1969)/4/1

 写真は全て:小川秀三さん