転轍器

古き良き時代の鉄道情景

西大分ヤード


①駅前の広場から見た西大分駅本屋。民営化になったばかりで国鉄時代の面影が漂っている。西大分は単純な旅客駅ではなくコンテナ取扱駅なので、その構内配線に興味を奪われる。1面2線の旅客線と1面3線のコンテナ取扱設備、そして3線の留置線はコンパクトで模型レイアウトセクションの題材にはちょうど良いサイズと思える。東九州の貨物駅は西大分を始めとして、鶴崎・幸崎・佐伯・延岡・南延岡・細島・高鍋が名を連ねていたが、この後西大分と延岡・南延岡だけとなる。撮影は昭和63年。

西大分構内配線図 番号は撮影位置

②構内西南側に伸びる引込線。かつて富士紡績の工場へ続いていた専用線の跡と思われる。入換信号機が点灯しているので現役の引込線ということになる。保線関係の車輛が入っているのを目にしている。レールに生える草はこの位置だけで構内は全く見られない。

③構内南側に沿って通る道路との境は、警戒色を塗った古枕木柵で区切られて整然と続いている。汽車見物をするのにちょうど良い趣きのある通りだ。電柱と架線柱の間の変圧器のような設備は何であろうか。ホーム上の跨線橋の橋脚、信号扱い所、中継信号機の様子がよくわかる。

④3線のヤードの端にもう1線行止り線があり貨車移動機が停まっていた。この車は大分運転所の扇形庫で無火の罐を牽く仕事をしていた。協三工業の10t機というらしい。

⑤下り本線にコンテナ編成が入って来た。貨物線で待機するのはニチユ?日車?の20t機かな。

⑥待ち構えていた誘導掛がED76のステップに乗って入換開始。

⑦コキ編成が牽き出される。国鉄の文字が残るC21コンテナが積載されているのがわかる。

⑧引上線に転線したら、今度は貨物線に押し込む。

⑨西大分着のコキ群を貨物線に収める。下り本線横のこの線は到着貨物の押込み、出発貨物の組成に使われている。出発信号機はここから分岐していた大分港臨港線の名残りなのか、または下り方面へ進出するためのものなのであろうか。

⑩ED76はコキ開放後再び下り本線に戻る。スピーディな入換作業で本線上の停車は短時間。