転轍器

古き良き時代の鉄道情景

佐伯 午前3時

 午前3時ちょうど、夜行急行“みやざき”を佐伯で下車。DF50の牽く寝台車3輛を含む10輛編成は最後部はホームにかからなかったような気がする。長い編成が慌ただしく発車した後、絞りと露光時間などわからないまま暗い構内を撮影した。 日豊本線佐伯 S47(1972)/12/29

 本屋寄り、起点側ホーム欠き取りに2軸のタンク車が置かれていた。給水タンクの水を運ぶ水運車だったかもしれない。その位置から広い構内に目をやると、給炭台の向こうにDF50と佐伯上り始発の客車編成2本が滞泊していた。佐伯4:27発大分行1520レと5:46発大分行1522レの編成であった。 日豊本線佐伯 S47(1972)/12/29 

 しばらくして2番線にD51714〔延〕の牽く上り貨物列車が入って来た。当時創刊された「SLダイヤ情報(弘済出版社)」ではこのスジは南延岡から佐伯までは重連と記載されていたが、実際は単機牽引であった。 1592レ 日豊本線佐伯 S47(1972)/12/29

 佐伯に降り立ったのは宗太郎越えのD51貨物を撮るのに重岡に向かう列車に乗り継ぐためである。行程は501レ“みやざき”から長い待合せで南延岡行混1553レで重岡下車。追って下って来る貨551レ・571レを撮って再び重岡から1521レで南延岡へ向かうものである。
 佐伯ではしばらくホームで上り貨物列車を見ていたが寒さに耐えられなくなって暖房のきいた駅待合室に避難し乗り継ぎ列車の発車時刻まで記憶はとんでいる。その間ホームでは貨567レ4:04着。留置線からDF50の上り初発列車が引上げられてホームに入線、4:27発車。客車と貨車をつないだ混1553レが下り1番線に据え付けられる一連の流れがあったはずだ。また、下り時刻表からD51牽引の佐伯始発は2本あり、1本は567レ佐伯止りの継走として、もう1本は佐伯駐泊のD51が控えていたものと思われる。待合室でのうたた寝でこれらの流れが確認できなかったのは痛恨の極みであった。

 重岡で乗車した別府発南延岡行1521レの車内から上り列車を見る。宮崎発大分行528レの牽引機DF50544〔大〕はエキゾーストを噴き上げて発車合図を待っている。南延岡行8:36発、大分行8:48発。車内ではスチームのきいたモケットで眠りに落ちたのは言うまでもない。 日豊本線重岡 S47(1972)/12/29