転轍器

古き良き時代の鉄道情景

由布1号


 40年前に撮った急行列車のネガがある。撮影場所と列車名は記録がなく、国道が線路をオーバークロスした位置からたまたま接近して来た列車にカメラを向けた記憶が残っている。当時の地図を見ると、水分峠から玖珠盆地までは交差箇所は少なく、駅間は引治〜豊後中村とわかる。 エアリアマップGP7 九州ロードアトラス(昭文社/昭和53年)

 列車は別府発長崎・佐世保行急行“西九州”と思い込んでいた。編成を調べると“西九州”は長崎行5輛、佐世保行2輛の7輛編成なのでこの列車は後続の別府発博多行“由布1号”とわかる。編成は屋上に水タンクが載っているキハ58メインの、手前別府寄りからキハ58+キロ28+キハ58+キハ28+キハ65+キハ58の6輛編成であった。 602D“由布1号” 久大本線引治〜豊後中村 S53(1978)/8

 “由布1号”の行路を時刻表からエクセル表に書き写してみた。走行距離は日豊本線12.1㎞、久大本線鳥栖まで)148.6㎞、鹿児島本線鳥栖から)28.6㎞の計189.3㎞、所用時間は3時間28分であった。大分〜日田間の停車駅は湯平、由布院、豊後中村、天ヶ瀬と固定、日田〜久留米間は列車によって筑後千足、筑後吉井、田主丸と分けられていた。時刻表書き写しは机上の旅情を味わうことができる。