転轍器

古き良き時代の鉄道情景

オエ7032

f:id:c57115:20190518181642j:plain

 転車台から延びる放射状の機留線に運用間合いのD51485〔延〕が止っている。正面からは枕木の山に邪魔されて撮れないので後方に回ってきたものと思われる。何を撮りたかったのかわからない中途半端な写真に古い客車が写っていた。「大分運転所救援車」と標記されたオエ7032は17m級戦災復旧車スニ75の改造ということを「鉄道ファン№231 (昭和56年7月号)」の事業用車特集で知る。

f:id:c57115:20190518182045j:plain国鉄客車配置表昭和39年版(クリエイティブモア)

 スニ75がどのような車なのか皆目見当もつかず、手がかりを「国鉄客車配置表昭和39年版」(クリエイティブモア刊)に求める。この本は区別配置表と形式別番号順配置表が掲載され、形式のイラストまで網羅された私にとって唯一無二の貴重本である。スニ75のイラストを見て、窓配置や荷物扉等ほぼ同じであることがわかる。老朽化した荷物車は動力車基地の救援車に衣替えするのにはもってこいの車であったのであろう。当時何度も見ていた貴重な車にカメラが向かなかったことは、蒸機にしか目に入らなかったあの頃では致し方の無いことか。
  昭和44年3月時点での大分運転所の事業用車はスエ31-2輛(18・35)、オエ70-1輛(32)が配置されていた。  D51485〔延〕とオエ7032〔分オイ〕 大分運転所 S44(1969)/3