転轍器

古き良き時代の鉄道情景

大分駅8時台の構図 昭和47年5月3日

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 祝日の朝、汽車見物に大分駅へ赴く。目当てはC57の牽く佐伯行であったがこの日はC58の牽引で残念と思いつつせっかく来たのでしばらく駅の様子をスケッチしてみた。時間の経過とともに写真を並べてみると、旅客列車はED76・DF50・DE10・C58、貨物列車はED74・D51とEL・DL・SLがまんべんなく写っていた。撮影は全て大分駅 S47(1972)/5/3

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 7時56分頃。DF50532〔大〕が牽く佐伯発大分行1522レが4番ホーム5番線に入る。第1と第2ホームの間に中線があるので4番ホームの線番は5番となる。正面の信号機は日豊・豊肥・久大の各本線下りに対応した出発信号機で、掲示された「日5豊5久5」の黒地白ぬきの札がそれを物語っている。右のホームを欠き取った引込線は荷物車の作業用で幹線の主要駅ではよく見かける設備であった。マニ60が停まっていた。左の貨物線は発着がどこなのか冷蔵車の一団が訪れていた。右後方は蒸気機関車基地を象徴するガントリークレーンと給炭槽が見えて規模の大きな車輌基地の雰囲気が伝わってくる。

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 7時58分頃。佐伯からの1522レが入線したとほぼ同時にC58115〔大〕とED7620〔大〕が一斉に迫って来る。C58は杵築発佐伯行1523レの牽引機、ED76は1523レの杵築~大分間を牽き大分で開放、待機して今度は今佐伯から到着した編成を下郡(信)へ回送するためである。

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 7時59分頃。4番線で待つ佐伯行の編成にC58115〔大〕が連結される。左5番線は佐伯からの到着列車。背後にED7620〔大〕が迫っているはずだ。

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 8時00分頃。間髪入れずにED7620〔大〕が後進、客車の直前で停車。連結掛が待機している。 回1522レ

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 8時01分頃。ED76に遮られて佐伯行の発車が撮れないので慌てて欠き取りホーム方向へ後退する。C58が煙を噴き上げている様子がうかがえる。

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 8時02分。汽笛高らかにC58115〔大〕発進。デッキの磨き出しの手摺りが輝いているように見えた。 1523レ

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 8時04分頃。豊後竹田からの725レがDE101019〔大〕に牽かれて6番ホーム9番線へ入って来た。C58が担当した大分~豊後竹田間2本の客車列車はこの春の3月15日白紙改正でDE10と交替、うち1本はディーゼル列車となった。

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 8時20分頃。日豊本線下り貨物列車牽引のため大分運転所を出てスイッチバックの形で構内を縦断する。 D51485〔延〕

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 8時25分頃。ED744〔大〕牽引の日豊本線上り貨物列車が中線の7番線で発車待ち。後ろに見えるキハ65は大分発門司港・別府行2903D“ひまわり1号”で、大分8:56発門司港11:22着。博多・熊本・立野経由で別府17:38着の九州を半周する列車であった。

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 8時30分頃。DE1026〔大〕が到着した京都発大分行“日南1号”を客車洗浄線へ押し込んでいる。この日は京都~宮崎間で運転される“ことぶき”と“日南1号”は併結運転で、“日南1号”は大分止まりであった。残念ながら豪華A寝台を連ねた“ことぶき”編成は視界に入っていない。大分のDE10は1000番台で揃えていたが、26番はこの時期だけ在籍していたようだ。構内入換はハチロクの汽笛は聞かれなくなっていた。

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 8時43分。D51485〔延〕の牽く門司(操)発南延岡行貨物列車が大分を後にする。迫力ある発車シーンを東部構内で見る。 8563レ