転轍器

古き良き時代の鉄道情景

1レ 品川通過

 せっかくのブルートレイン撮影も行き当たりばったりなので良い写真は残せていない。慌てて品川11番ホーム先端へ走って行ったのではないか。EF65509〔東〕が14系寝台車14輛を連れてフルスピードで駆け抜けて行った。
 東海道本線下り電車からの車窓は新橋から品川にかけては線路の展開に目が離せない。浜松町辺りでは海側のヤードに貨物列車が並び、頭上は東京モノレールが優雅に斜めに横断する。田町を過ぎると新幹線の高架と並んで貨物線も海側へと消えて行く不思議な景色に目が留まる。山側に目を転ずると上下線が離れて、東京機関区の軒先をかすめるような至近距離で留置機関車の脇を通り、膨大なヤード群が広がる田町電車区と品川客車区に整列する編成を目の当たりにする。ヤードが収束して引上線が延びる辺りに弧を描く品川下りホームが現れる。わずかな駅間の至極の眺めは旅情漂う寝台特急オハネ14からではなおさらで、次の停車駅横浜までにハイケンスのセレナーデの車内チャイムとともに終着までの到着時刻がアナウンスされていたのではないか。 1レ“さくら” 品川 S51(1976)/2/24

 通過時刻に間に合わず跨線橋からパチリ。ヘッドマークを掲げた憧れの機関車はEF65527〔東〕であった。“さくら”は14系寝台車が登場した昭和47年3月改正で20系から14系へと置換えられ、電源車を必要としない分散電源方式のスハネフ14が組込まれていた。EF65500番台は下関まで1096.5Kmを走り通す。 1レ“さくら” 品川 S51(1976)/2/25