転轍器

古き良き時代の鉄道情景

内牧

 阿蘇谷の豊肥本線は立野から外輪山の切れ目を33パーミルで這い上がると赤水から宮地までは比較的緩やかな道となる。赤水・市ノ川・内牧・阿蘇カルデラの北側を進む。視界に広がる大パノラマの外輪山と雲に霞む阿蘇五岳雄大な景色が楽しめる。
 新しい色になったキハ47が外輪山を背に16.7パーミルの坂を行く。 豊肥本線内牧~阿蘇 S62(1987)/9

 国鉄時代末期に登場したキハ31重連紫煙を上げて阿蘇谷を行く。ステンレス車体には赤いJRマークが新たに付けられた。 豊肥本線市ノ川~内牧 S62(1987)/9

 まるで公民館のような内牧駅舎。会合に自転車や単車に乗って人が集まったかのような様子に見える。正面に電話ボックスと九州産交バス内牧駅前バス停が置かれている。阿蘇温泉郷の中で最大の温泉地である内牧温泉は、駅の北側に望む大観峰のふもとに位置する。 豊肥本線内牧 S62(1987)/9

 構内は島式ホーム1面2線で赤水と同じ配線であった。駅舎寄りに貨物ホームがあり、キュウロクが走った時代は農産物を積むワムやツムが停まっていたのではないかと想像する。 豊肥本線内牧 S62(1987)/9

 貨物側線は線路が残り怪しいモーターカーが置かれていた。赤い標識灯はまるでバッファーのようだ。

 反対側から。「宮地保線支区」の標記がある。役場で使っていたダイハツの小形マイクロバスを転用したかのように見える。屋根上のライトと標識灯、下回りは2軸貨車のようで、鉄道車輛に化けていた。