転轍器

古き良き時代の鉄道情景

高森線のC12

 立野駅の高森線ホームは豊肥本線と千鳥配置で本屋寄りに設けられ、のどかな雰囲気が漂っている。端面がきのこ形をしたオハフ33 2輛を従えて出発を待つC12のコンプレッサーの息づかいだけがあわただしく外輪山の壁にこだましていた。 127レ 立野 S47(1972)/3/29

 C12252〔熊〕は熊本から宮地行貨物列車の最後尾に付いて立野まで回送されて来た。高森から到着したC12222〔熊〕の牽く混合列車は客車だけホームに残し、貨車を引上げる。高森線運用はこの列車を境に機関車が交代し、C12252〔熊〕はホームに残った客車に連結される。

 列車番号は「混125レ」となっているが貨車はつないでいない。C12222〔熊〕は客車2輛を牽いて立野を発車、南郷谷を進んで高森をめざす。 高森線立野~長陽 S47(1972)/3/29

 混125レの高森折返しが貨車をたくさんつないだ混126レとなって立野へ向かう。 高森線立野~長陽 S47(1972)/3/29

 C12222〔熊〕が高森から着いた混126レの客車を放して貨車入換を行う。高森線の貨車は豊肥本線に中継される。 立野 S47(1972)/3/29

 39680〔熊〕の牽く宮地行貨物列車は瀬田から続く33.3‰の上り勾配を喘ぎながら上って来る。眼下を行く貨物列車をスイッチバックの転向線から見ていたら、何と後部にダイヤから読み取れなかった回送のC12が後部補機さながらに煙を噴きあげていた。熊本からのC12252〔熊〕は立野で高森線運用に就いていたC12222〔熊〕と交代する。 豊肥本線瀬田~立野 S47(1972)/3/29