転轍器

古き良き時代の鉄道情景

C12222

 C12222〔熊〕の左サイドはコンプレッサーが無いのですっきりとしている。ランボード上の箱は潤滑油を供給する油ポンプの箱だろうか。下回りはちょこちょこと動く加減リンクが見える。「架線注意」標識の上は砲弾形ライトLP405が付いている。 立野 S47(1972)/3/29

 転車台に乗るC12222〔熊〕の右サイド。水タンクのナンバープレートが付いた位置の真上に丸い給水口があり、その周囲を取り囲む枠が設けられているのがわかる。溢れた水を流す役目があると思われる。区名札差は両サイドとも空で少し寂しい気がする。 熊本機関区 S47(1972)/3/29

 C12222〔熊〕のバックビューは炭庫上部の増炭枠とライト両脇の換気窓が特ちょうだった。

 日本蒸気機関車特集集成(上)(鉄道図書刊行会/昭和53年5月刊)に掲載された「C10・C11・C12形機関車配置の変遷」に昭和20年12月末時点の九州地区のC12の動向に目が留まった。概観すると東小倉3輛は日田彦山線吉塚4輛は勝田線、西戸崎7輛は香椎線、南延岡3輛は日ノ影線、宮地3輛は高森線、宮崎1輛は妻線、鹿児島5輛は指宿枕崎線の客貨車に使用されていた事を知る。

 RailMagazine261(平成17(2005)年6月号)に掲載された「外輪山を攀じ登れ!ー連載SL甲組の肖像宮地機関区ー」に昭和35年4月時点、宮地機関区高森支区にC1225・C12181の配置が記されていた。「国鉄動力車配置表」の運転関係業務機関一覧によると高森は宮地機関区高森駐泊所となっている。

 C12222はいつ頃高森線へ来たのだろうか。昭和36年4月は吉塚機関区西戸崎支区に在籍、昭和43年3月は熊本配置となっていたのでこの間に移動したものと思われる。宮地機関区は豊肥本線ディーゼル化で昭和39年3月に熊本機関区に統合されている。