転轍器

古き良き時代の鉄道情景

小野田

 太平洋ベルト地帯を成す山口県の瀬戸内海側は山陽本線沿いに岩国・徳山・防府宇部・小野田と工業都市が連なっている。山陽本線宇部~厚狭間は3線区間美祢線から宇部港へ運ばれる石灰石輸送に山陽本線の複線とは別に1線が敷設されていた。この1線の道床は美祢線と同じように石灰石で白くなっていたのが印象的であった。牽引機はD51からDD51へと変わっていたが石灰石ピストン輸送は未だ活況を呈していた。小野田駅の1番と3番線は小野田線向け、中線2番と3番線は宇部~厚狭間単独線対応の配線となっていた。 写真は全て:山陽本線小野田 S52(1977)/8/8

 DD51849〔厚〕が白いセキ編成を従えてゆっくりと、旗を持った駅員が見守る小野田3番線を通過する。石灰石満載でジョイント音も重く鈍く聞こえる。その左が中線の2番、小野田線旧形国電が停まっているのが1番線である。

 振り返って白いセキ編成を見送る。頭上の出発信号機2基は左が単独線の本線向け、右が分岐の小野田線用である。石灰石専用列車は緩急車はもちろん、後部標識灯も省略されて、まるで貨車入換を見ているようだ。画面奥の跨線橋の先でヤードは収束して3線になる。小野田線跨線橋の手前で大きく右に弧を描き目出に向かう。

 1番線は半流顔のクモハ41024〔広ウヘ〕と2番線のDE101563〔厚〕が並んでいる。

 宇部新川行はクモハ41024+クハ55009の2輛編成で、両車とも前面の警戒色が差し色となって鮮やかに映る。

 5番線にEF6645〔関〕の牽く山陽本線下り貨物列車が入って来た。

 4番線に広島発下関行153系6輛編成が入線。 453M

 クハ86のいる6番線は山陽本線上り線、手前5番線は上下線列車が入る。

 大窓ひさし付のEF587〔広〕はパンタグラフが下垂交差に換装されていた。「クラブトロリ式」と呼ばれるテルハが写っている。

 画面左に駅本屋があり、跨線橋は上り方起点側に設置されている。早くも新形車掌車ヨ8000と遭遇する。 ヨ8204〔名イナ〕