転轍器

古き良き時代の鉄道情景

小倉日記

 小倉駅はかつて現在の西小倉駅のところにあった。鹿児島・日豊両本線の列車が相互折返しができる配線に改められ昭和33年3月に現在地に移転した経緯がある。筑豊へ、門司港へ、日田彦山線へ、本州方面への乗換え待合せ時間で列車を撮っていたので時系列でふり返ってみたい。小倉駅ホームでの思い出は何といっても「かしわうどん」と森鴎外ゆかりの銘菓「小倉日記」であろうか。キハ66が並んだ先にスタンドうどん・そばコーナーが見える。

 鹿児島本線貨物線ではない旅客線を9600の貨物列車が通過している。4番線を通っているので日豊本線から来たのかもしれない。門デフのスマートなキュウロクだ。 小倉 S45(1970)/8/3

 新幹線の工事はまだ始まっていないので空がとても広く感じる。6番線から発車した列車は熊本12:36発、小倉15:15発岡山行急行“しらぬい”で岡山には21:24に着く。 402M 小倉 S45(1970)/8/3

 新幹線の高架が建ち上がっている。貨物上り線を行くはED7210〔門〕が牽く石灰石返空編成。 小倉 S48(1973)/3/30

 7番線は熊本6:55発、小倉9:45発大分11:51着の2501M“ゆのか1号”10連、4番線は小倉9:47発筑豊本線経由直方10:50着の1733D7連が待機している。 S48(1973)/3/30

 石原町は転車台が無いので石灰石返空編成はバック運転となる。D51215〔門〕はテンダを見せて東小倉から日豊下り線に入り、小倉1番線へと進路をとる。 5881レ S48(1973)/3/30

 貨物下り線をED73が牽く自動車満載のク5000編成が通り過ぎる。新幹線2面4線の骨格が見えている。この2年後博多開業を迎える。 小倉 S48(1973)/3/30

 ED76が形の良い丸屋根の荷物車を牽いて現れた。東小倉15:29発、小倉15:33着15:37発のこの荷物列車は汐留発熊本行急荷35レのようだ。鹿児島本線の荷物列車は東小倉を出ると小倉は通過するが、この列車は小倉に停車する。 小倉 S51(1976)/9/19

 博多発宮崎・大分方面の優等列車は小倉でスイッチバックし、進行方向を変える。“にちりん6号”の12号車は赤スカートクリーム帯、赤ヒゲのクハ481が組まれていた。博多14:42発、小倉15:36着15:42発、宮崎21:19着。 5031M 小倉 S51(1976)/9/19

 貨物上り線はとび色をした有蓋車の列が急ぎ足で駆け抜けて行った。「門」の管理局標記を付けたロングボディのワキ5000に目を奪われる。TR220系台車を履いて恰好良く見えた。 小倉 S51(1976)/9/19

 鹿児島本線下り快速電車が4番線に入る。門司港15:50発、小倉16:05発南福岡17:13着の特別快速3137Mは4+4の8輛編成だった。折尾から博多までは無停車で突っ走る。 クハ411-330〔門ミフ〕 小倉 S51(1976)/9/19

 小倉発長崎行“かもめ5号”は3番線から発車する。小倉16:11発長崎19:56着。第2ホーム下り側は欠き取りホームが設けられていた。荷物車はとなりの東小倉に寄るので、ここは何が入るためのホームだろうか。 2015M 小倉 S51(1976)/9/19

 “かもめ5号”は佐世保“みどり”を併結しない唯一の長崎行単独編成である。この列車は下り“かもめ5号”小倉発長崎行、上りは“かもめ2号”長崎発博多行で、運用の関係からか終着が異なっている。編成は“かもめ・みどり”編成と同様の12輛編成で前8輛が長崎行、後ろ4輛は肥前山口止りとなっていた。最後尾12号車は狭窓が並ぶ赤ひげのクロ481で締めくくる。

 4番線でクハ421低窓車と会う。ホーム反対側のドアが開いているので小倉終着折返しの編成のようで、中津15:13発小倉16:07着の1552M、折返しは16:29発博多行165Mと思われる。折返し列車が到着すると乗客の降車を待って反対側ドアを開放してサボを入替える光景を思い浮かべる。方向幕を回転させている時にシャッターを押したのか、一部「二日市」の行先が顔を出している。後方1番線の客車列車は日豊本線下り529レで、門司港15:42発、小倉16:10発大分20:11着。 クハ421-12〔門ミフ〕 小倉 S51(1976)/9/19

 方向幕に“快速”を掲げたキハ66の長い編成は博多16:03発篠栗線筑豊本線経由小倉18:23着の1740Dで、すぐさま折返し小倉18:32発直方19:23着の2769Dとなる。直方気動車区への帰区運用と思われる。 小倉 S51(1976)/9/19

 20系+12系急行“日南4号”のナハネフ22から見た小倉構内の様子。西鹿児島19:40発(宮崎まで2528レ)、宮崎23:09発、大分3:01着4:18発、小倉6:37着6:40発、7:06終着門司港着。 502レ 小倉 S57(1982)/8/18

 鹿児島本線下りの列車案内表示を見る。21:38発荒尾行は門司港からの187Mが小倉から列車番号が189Mと変わり荒尾0:43着。快速“日田”はこの時は由布院からのスジは無くなって日田発となっていた。22:45直方着。22:10発南福岡行は山陽本線小郡20:39発、南福岡23:37着。
 優等列車上り“あかつき2号”は長崎18:33発、佐世保編成は佐世保18:34発、筑豊本線を経由して小倉は通過、次の門司で長崎編成といっしょになって6:40大阪着。“有明32号”は西鹿児島16:16発、熊本19:35発、博多21:16発、終着門司港は22:24着。 小倉 S58(1983)/11/20

 列車案内表示にあった荒尾行は6番線で待っていた。2ユニットの連結面に貫通幌は無く、1ユニットは南福岡で切り離されるのではないだろうか。 189M 小倉 S58(1983)/11/20