昭和44年発行の「鉄道ジャーナル」からこの年の新車を顧みる。○北陸本線糸魚川〜直江津、信越本線直江津〜宮内間電化開業用にEF81、○四国、九州地区に投入されるキハ65、○万国博輸送に備えた12系客車、○東北本線高速貨物列車牽引用のEF651000番台─等が挙げられる。私鉄では西武のE851電気機関車、東武のりょうもう号1800系もこの年に誕生している。私の昭和44年は中学生、コンパクトカメラで汽車の写真を撮り始めた頃。思いだされる漫画ではタイガーマスクや巨人の星、はやり歌ではブルーライトヨコハマのメロディが浮かんでくる。
写真から思い出される記憶は、キュウロク貨物の通る時間が迫ってあわてて線路端へ続く道を全力疾走したことだ。間に合うか間にあわないかのところでシャッターを押したのがこの構図。大分平野の平坦な道をキュウロクは機体を震わせて高速で駆け抜ける。形式入大形ナンバープレートを付けたこの機関車は熊本機関区の79608である。側道の車はダイハツベルリーナでとても懐かしい。 昭和44年夏