転轍器

古き良き時代の鉄道情景

八幡浜


 アンパンマンのキャラクターがデザインされたキハ32とキハ54が佇む八幡浜駅2番ホームから伊予大洲寄りを見る。海産物と柑橘の一大産地の駅とあって構内は広く貨物中線が設けられている。国鉄時代の四国の情報は稀有であるがこの構図からつい貨物輸送全盛期に思いを馳せてしまう。昭和45年3月で四国の蒸気機関車はDL化されたと聞くが、それまでは松山気動車区に集煙装置付C58が、宇和島機関区にC12が配置されていたので予讃本線、内子線宇和島線で活躍していたものと思われる。八幡浜から宇和島にかけては法華津峠をはじめとする急勾配線区で、C58の牽く貨物列車にC12が後補機を務めたと聞く。南から登ってきたみかん満載のワムの編成がこの中線に入っている光景を想像する。牽引機はC58からDF50、DE10に、ワムはコンテナへと時代と共に変わっていったのであろう。
 






 下り2番ホームに掲げられた「のりかえ別府連絡」の電照看板が目に留まる。フェリー以前の八幡浜別府航路の客船時代があったことを知り、四国と九州を行き来する商人たちの交通手段であった時代を思い起こす。  H26(2014)/10 予讃線八幡浜