転轍器

古き良き時代の鉄道情景

宮田線

 宮田線に入る逆向9600牽引の貨物列車を伊田線の線路の手前から見る。この位置は筑豊本線の複線と伊田線の複線が離れる地点で、あと1㌔ほど進むと勝野に着く。宮田線は勝野〜筑前宮田間5.3㎞の支線で、かつては貝島炭鉱の石炭輸送線として活況を呈していた。勝野の次、磯光からは菅牟田への貨物線が分岐していた。 468レ 筑豊本線直方〜勝野 S46(1971)/8

 全検出場したばかりかと思わせる黒光りするキュウロクは、パイプ煙突、ランボード一直線、デフ無しの形状から49619〔直〕ではないかと思われる。貨車は前からワム75370、ワム139321、ワム124824と読める。背後の山に掲げられた醤油の看板が時代を感じさせられる。

 キュウロクの貨物列車は心地よいジョイント音で進んで行く。有蓋車の次は石炭車、無蓋車が続き、模型的な楽しい編成がカーブの先へ消えて行った。

 上り線に突然貨物列車が現れ、慌ててカメラを向ける。何と牽引機はDD13、次位の車掌車は見たことのない青色の車体で驚きの一瞬の光景であった。DD13382〔直〕は両サイドの前面扉を開けての走行である。DD13の牽引なので宮田線からの列車であろうか。ヨ9000はヨンサントウに登場した高速貨車系の車掌車で、高速冷蔵車と運用されるべく香椎に配属された。あくまでも試作車で走行試験の後は黄帯を巻かれて65㎞/h走行車となり、こうして普通貨物列車に組まれていた。 筑豊本線直方〜勝野 S46(1971)/8