転轍器

古き良き時代の鉄道情景

犬吠5号・水郷5号

 銚子駅で撮った3葉の写真をアルバムに貼るのに当り、少し総武本線の事をひも解いてみた。総武本線区間は以前、御茶ノ水〜銚子であったが、昭和47年の東京地下駅開業時から東京〜銚子間120.5㎞となる。電化は御茶ノ水〜千葉昭和10年、千葉〜佐倉(同時に成田)昭和43年、佐倉〜銚子間は昭和49年10月。複線化は千葉〜四街道昭和40年、四街道〜物井昭和41年、物井〜佐倉間昭和43年。複々線化は新小岩津田沼錦糸町新小岩が昭和47年、津田沼〜千葉間が昭和56年に完成している。鉄道ファン165号(昭和50年1月号)に掲載の「総武本線成田線鹿島線の電化が完成」によると、総武本線佐倉〜銚子、成田線成田〜松岸、鹿島線香取〜北鹿島間が昭和49年10月27日に電化完成。この時普通列車を一部電車に置換え。急行列車は今回置換えず新幹線博多開業時の昭和50年3月に電車化すると記載されていた。
時刻表昭和49年9月号(日本交通公社
 以上の事をふまえて、銚子駅のスナップを見ると当時は意識もしなかった電化完成直後に訪れていたことになる。“犬吠”と“水郷”の分割作業のように見えるが、当時の時刻表からこの2つの列車の分割併合は佐倉・佐原で行われることがわかった。佐倉〜銚子間は総武本線成田線の両ルートがあり、銚子発は時間差でうまく佐倉で併結できるダイヤが組まれていた。気動車急行未だ健在だったので電化区間を走行したといった印象は残っていない。九十九里浜沿いの沿線の記憶はないものの往路の都心側の複々線地帯は印象に残っている。浅草橋からの複線と錦糸町付近で地下から出て来る複線が合流して複々線に、亀戸付近は貨物線が合流して5線区間も確認できた。緩行線快速線は線路別複々線で、地下鉄が合流する西船橋は複雑な配線で巨大な駅の感があった。

 銚子駅1番線に停車する“犬坊”のヘッドマークを付けたキハ282479〔千チハ〕 総武本線銚子 S49(1974)/11

 “水郷”のヘッドマークを付けたキハ28は号車札は「6号車」、サボは「新宿ー銚子(成田回り)」と読める。

 “水郷5号”は2輛編成で松岸から成田線に入り、佐原で鹿島神宮からの3輛を足して5輛編成で佐倉へ向かう。佐倉で銚子を16分後に発車する“犬坊5号”と併結し10輛編成となる。 キハ2829〔千チハ〕 総武本線銚子