転轍器

古き良き時代の鉄道情景

起行貨物駅

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 後藤寺を出て勾配を下り1㌔も走らないうちにまたヤードが開けてくる。起行貨物駅である。ヤードに溜まる貨車はまばらで、まわりの雰囲気から全盛時代の使命は終えた貨物駅の印象であった。開業は明治30年10月で、豊州鉄道が今の後藤寺線となる起行までを初めて開通させた時である。 後藤寺線起行(貨) S47(1972)/3/30

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 後藤寺線は石炭搬出の為の新飯塚~下鴨生間と起行~後藤寺間(豊州鉄道)、石灰石搬出の為の下鴨生~起行間(産業セメント鉄道)とが国有化されて誕生した(昭和18年)。石炭積出全盛期には後藤寺を中心にして南・東身内谷・起行の貨物駅があり、この起行は過ぎ去った栄華を伝える生き残りである。起行貨物駅は昭和57年11月に廃止された。向い合せキュウロク重連の列車は船尾発枝光行で起行(貨)通過、次の後藤寺で向きを変えて糸田線に入る。 5594レ 起行(貨) S47(1972)/3/30

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 専用貨物列車は起行(貨)を通過、加速をつけて国道の跨線橋を潜り急勾配を上って後藤寺構内へ顔を出す。後方に後藤寺の信号機とボタ山が見える。 5594レ 起行(貨) S47(1972)/3/30