転轍器

古き良き時代の鉄道情景

湯平

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 湯平駅は大分川河岸段丘の急峻な谷間のわずかなスペースに設けられた湯平温泉の玄関口で急行停車駅である。本屋寄り下りホームから広がる風景は、背後の細道脇に建つ道路案内と「警笛鳴らせ」の道路標識、構内の電柱兼用の外灯、線路沿いに這う信号連動ワイヤ等、古き良き時代の鉄道情景が切り取られている。 D6064〔大〕牽引の1635レがすべり込んで来た。 久大本線湯平 S44(1969)/12/29

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 豊後森発大分行1635レに乗り込むと、上り線では今まさにD6061が動き出したところであった。大分発鳥栖行638レを牽くD6061〔大〕はこの先に続く連続25‰上り勾配に備えてドラフト高々にドレンをきり満身の力で構内を後にする。向いの側線は機関区で目にするミム100が置かれていた。 久大本線湯平 S44(1969)/12/29

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 D6064〔大〕は湯平発車時に少し給気しただけで後は絶気運転で坂をころがるように下って行く。湯平から庄内、天神山の手前まで25‰下り勾配が続く。大分川の河岸段丘が作り出した左岸斜面の形に沿って線路は続き、客車の列は右に左に傾きを変える。 1635レ 久大本線湯平~庄内 S44(1969)/12/29