転轍器

古き良き時代の鉄道情景

湯平 昭和39年頃

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 父親が遺したネガに鉄道ものがないか捜索した結果、昭和39年頃に撮られた人物写真の背景に湯平駅の様子が写っているものを見つける。煤煙が付いたトンネルポータル、山を越える多数の通信線電柱、腕木式信号機、枕木で組まれた倉庫などは鉄道全盛期の構図といえる。砂ぼこりをあげて近づくバスはボンネットバスならぬリアエンジンバスであろうか。方向幕は「湯の平」と読め、湯平駅と湯平温泉場を結ぶバスと思われる。当時の湯平温泉は湯治客が訪れるひなびた温泉地で、石畳の道が始まる温泉街の手前にエコーモデルのストラクチャーキットにあるような「バス車庫」が建っていた。 久大本線湯平 S39(1964)/1頃