転轍器

古き良き時代の鉄道情景

155系の真実

f:id:c57115:20191230165850j:plain

 前回掲載のEF15の記事でこの写真の説明を「押し込み形ベンチレーターが並ぶ80系湘南電車とすれちがうEF15102〔新〕」と記載した。いつも閲覧してくれる東京の線路端さんからこの電車のことでMAILをいただく。 『屋根がフラットに見えます。フラットの具合から前後のカットで80系の前面が写っていれば良いのですが…』。さらに『パンタグラフの先の連結部では片やおでこがあり、片やおでこなし』と聞き、画像を拡大してみると確かにその通り、前後のネガに80系はなく、もはやこれは指摘の通り155系と理解する。

f:id:c57115:20191230170137j:plain

撮影:線路端さん 修学旅行電車“こまどり”155系 東海道本線 S49(1974)/5
 線路端さん曰く『この屋根のひらべったい、まったいら感からすると例の写真は155系っぽく見えます』。いただいた往年の名車155系の写真。お面を隠して屋根上を見比べるとまさに同じということがわかる。

f:id:c57115:20191230170224j:plain

 撮影:線路端さん 臨時急行もしくは集約臨(修学旅行臨など) 新子安 S49(1974)/10/21
 あの電車が155系とわかって安堵したところで、さらに驚愕の新事実が出てきた。線路端さんの撮った155系4+7の11連は撮影場所は新子安、撮影時刻9時半から10時頃、撮影日時は昭和49年10月21日。私の撮った80系勘違いの写真は撮影場所東神奈川、撮影時刻9時半から10時頃、撮影日時は昭和49年10月15日。2人は同じ列車を撮っていたことが判明。場所はわずか2㌔ひと駅ちがい、日にち6日ちがい、時刻はお互い前後列車の符合で同時刻、何という偶然であろうか。その偶然が45年の歳月を経て解き明かされる。これも鉄道趣味の醍醐味であろう。