転轍器

古き良き時代の鉄道情景

伊田線のC11302

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 伊田発直方行の上り列車が直方平野を流れる遠賀川を渡る。橋梁を渡り終えると右カーブで筑豊本線の複線に寄り添い、複々線の形で直方へ向かう。 234レ 伊田線直方~中泉 S46(1971)/8/10

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 川原から鉄橋上を疾走する機関車を見る。角ばったドームの機関車はC11302〔行〕でモーションプレートがちょこちょこと忙しく動くさまが印象的。続く客車はオハフ33であろうか、台車はTR23?TR34?まるで模型の列車を見ているようだ。 234レ 伊田線直方~中泉 S46(1971)/8/10

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 遠賀川から歩いて直方西部に着くと先ほど見たC11302〔行〕が入換を行っていた。石炭が山盛りになっているので一旦機関区に入って給炭したのかもしれない。バックビューは増炭枠と換気窓の装備が特ちょうであった。 直方東部 S46(1971)/8/10

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 構内西部に架かる跨線橋筑豊本線伊田線を行き交う列車や入換風景を撮ることができる絶好の場所であった。C11302〔行〕はフロントデッキにあるカバーの蓋が開いていた。

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時刻表昭和46年4月号 日本交通公社
  昭和46年4月時点で伊田線は上下17本のC11客車列車が設定され、直方機関区と行橋機関区のC11がその任に当たっていた。遠賀川橋梁で見たC11302〔行〕の牽く234レは直方15:00着、折返し15:41発伊田行233レの牽引機となる。

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 233レが伊田に到着。C11302〔行〕のサイドビューは角形ドームの形状がよくわかる。サイドタンクがら延びる2条のアングルは模型的に見える。 伊田線伊田  S46(1971)/8/10

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 C11302〔行〕は直方から伊田まで来たのでそのまま基地の行橋へ帰るのものと思いきや再び236レで直方へ向かうようだ。伊田16:09着、折返しは16:20発で、このわずかな間合い時間で伊田構内の入換を行っていた。後方は筑豊を代表する三井田川鉱の伊田縦坑櫓と炭坑節に歌われた二本煙突がそびえている。全盛期はこのホッパーから次々とセラやセムが引出されて直方あるいは苅田港へと送られて行ったのであろう。