転轍器

古き良き時代の鉄道情景

ワム80000

 貨車の標記は実に楽しい。扉左の標記板は符号(ハ)・記号(ワム)・番号(184173)がレタリングされている。その下は票差しが2つあって左は貨車車票差し、右は貨車表示票差し、その間に積・空標記(積2.2空1.0)がレタリング。扉右の標記板は運用票板である。扉右側のガイドレールの上にエンド標記(①)があって1位側に形式番号(ワム80000)、検査級別標記(B1)、全般検査標記と修繕票差し・仕立て検査票差しが、3位側は荷重(15t)、自重(10.9t)標記がある。妻面両サイド下部の2本帯と、手摺りやステップの白色塗りは側ブレーキの位置を示しているらしい。 ハワム184173 鶴崎 S56(1981)/3/15

 かつてエンドウのブリキ製貨車ワム80000を持っていた。ベーカー形カプラーや板のような軸受、かけ離れた書体のデカール等模型というよりは玩具であったが、それでもワムやツム、レやカ、ワフなどを揃えていたのが懐かしい。
 国鉄客車・貨車ガイドブックは『パレットに積んだ貨物をフォークリフトでそのまま荷おろしすることのできるパレット用有がい車で、両側とも総開き式』とワム80000の説明が記されている。ワム84717は番号から初期の製造分と思われる。 大分港 S56(1981)/2

 ワム80000の280000番台は昭和50年からの増備車で、屋根が腐食防止のコーティングが施され屋根色はクリーム色になっている。また扉はアルミドアとなり、荷役時の注意を促すために取っ手の下、引戸錠の上に白丸が標記されている。 ハワム284786 大分 S55(1980)/9

 蒸機時代に度々見かけた貨物列車は黒い貨車ばかりが連なっていたが、所々にとび色のワムやトキ、白い冷蔵車、黄帯が巻かれた石炭車、灰色のLPガスタンク車などが連結されているとうれしくなるものであった。特に煤けたライトグリーンのヨ5000がしんがりに付いていたら最高の出会いであった。 ワム88930 大分 S45(1970)/9