宇部・小野田線の旧形国電は105系によって新性能化されたことを趣味誌の便りで伝え聞いていた。小野田線の本山支線は単行運転が行われていたので両運転台のクモハ42が残っていたと思われる。所用で山口に行った帰り、宇部新川へ遠回りした甲斐があって運良くクモハ42005と会うことができた。 写真は全て:クモハ42005〔広ウヘ〕 宇部電車区 S57(1982)/10/13
宇部線・小野田線が105系化されるまでは本山支線は3扉ロングシートのクモハ40が運用されていた。その後は2扉クロスシートのクモハ42001・005・006の3輛が残されたようだ。
105系の一群の中に唯1輛異彩を放つクモハ42が停め置かれていた。クモハ42005は1-2位側と3-4位側の顔では幌枠の有り無しで印象が異なって見える。2つ扉の間に600mm幅の小窓が16個も並ぶ姿は圧巻であった。
3-4位側の顔は幌枠があって締まって見える。全検は昭和57年4月に行われているのでまだしばらくは使われるのであろう。鉄道ファンNo.319(昭和62年11月号)のPOST記事は、クモハ42005は昭和60年3月に廃車となり、クモハ42001の全検の際に車軸や部品を提供したことが報告されていた。
1-2位側は大きな避雷器とパンタグラフ、その引込線が屋根から伸びてきて3-4位の顔とは表情が異なる。
600mm幅の小窓、シル・ヘッダーと車体裾のリベットの列、それぞれがきれいに並ぶ様は重厚感溢れる。床下器具と番号標記を隠せばまるでスハ32のように見える。2扉クロスシートの車内もまた魅力だ。