転轍器

古き良き時代の鉄道情景

中原電車区

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 洗浄線に並ぶ茶色のゲタ電たちはどれも同じ顔に見えた。旧形国電については何の知識もなくとりあえずの儀礼的なスナップであった。後年、この電車は73系でクハ79・クモハ73・モハ72・サハ78で構成された一群と知り、3段窓や2段窓、先頭車の顔にバラエティがあることを知る。その時点で現車は消えた後、せっかく中原電車区まで行ったのになんでもっと撮らなかったのか後悔にさいなまれる。 クハ79 中原電車区 S49(1974)/4 

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 同じ顔に見えた電車群の中、1輛だけ毛色の違ったのがいるのに気づき何げなく撮ったのがクモハ12であった。撮影後10年以上経過した頃であろうか、鶴見線大川支線の単行で有名になったあのクモハ12と知る。車体の艶、リベットの重厚さは旧国音痴の私でも魅了された。 クモハ12 中原電車区 S49(1974)/4 

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 当時、101系等新性能電車の前面下部、連結器両サイドに見える空気管にカラフルな色のコックが付いていたのが気になっていた。模型であのパイピングの再現は難しいだろうなどと思っていた。そんな思いで撮ったのかどうかは定かではないが意図の見えないカットである。 サハ78 中原電車区 S49(1974)/4

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 武蔵中原方から電車区を望む。カナリア色の101系とチョコレート色の73系が並んでいる。旧形から新性能電車への時代の変わり目に居たのだろうか。両渡り線右側は入出区線、左側は引上線と思われる。 中原電車区 S49(1974)/4

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 昭和48年版車輛配置表を見ると中原電車区は101系とクモハ11・クモハ12・クモハ73・モハ72・クハ16・クハ79・サハ78等210輛が配置されていた。配置区略号は東京西局「西ナハ」であった。  中原電車区 S49(1974)/4