転轍器

古き良き時代の鉄道情景

69665 貫禄十分の印象変化

 平瀬清隆さんが撮ったキュウロクの写真を拝見、ナンバーを見るまではとても「69665」とは思えなかった。私が知っている69665とは全く別機のように見えたからだ。煙でかすむ構内の雰囲気も思わず「ここは宮地機関区?」と見紛うくらい昭和30年代の基地風景は別世界であった。69665は頭を上り方に向けて2棟の扇形庫の転車台から延びてきた出区線で待機しているようだ。大分運転所は昭和35年3月に大分機関区と大分客貨車区が統合されて発足している。 69665〔地〕 大分運転所 S36(1961)/4/1 撮影:平瀬清隆さん

 私の知っている69665は除煙板が門鉄デフに交換されて、それだけで印象はすっかり変わっている。また化粧煙突も継足し部分が短くなって雰囲気が異なる。コンプレッサー排気管消音器の位置も動いているように思える。よく見ていくと、連結器開放テコは片側から両側へ、煙室扉のナンバープレート斜め下にフックが取り付けられている。交流2万ボルト架線の下を走るようになったので「架線注意」標識が付けられ、テンダは石炭前積みのための木枠が施されている。印象はちがってもLP42前照灯を備えた顔は貫禄十分だ。 69665〔熊〕 大分運転所 S45(1970)/10