転轍器

古き良き時代の鉄道情景

東急新玉川線

 東急新玉川線は渋谷と二子玉川園を結ぶ新線で、かつての玉川線、通称“玉電”と呼ばれていた路面電車が廃止され、そのルートを地下化して建設され昭和52年4月7日に開通している。開通して数日後、赤帯車と呼ばれた最新鋭の8500系に乗る機会があり、新築ほやほやの用賀駅先端で二子玉川園行6輛編成をスナップした。渋谷と二子玉川園の間は池尻大橋(かき色)・三軒茶屋(れもん色)・駒沢大学(わかば色)・桜新町(さくら色)・用賀(みず色)の5駅が設置され、それぞれの新駅ホーム壁面はカッコ内で示したカラーリングが施されたのが特ちょうであった。
 この時の線名は渋谷~二子玉川園が新玉川線大井町つきみ野田園都市線で、2面4線の二子玉川園は外側が田園都市線、内側が新玉川線で配線されていた。地下から高架の二子玉川園に上がってきた複線の新玉川線が駅入構の際に両渡りポイントではなく地方ローカル線のような一旦単線になることが理解できずとても不思議だったのを今でも鮮明に憶えている。
 その後は営団地下鉄半蔵門線と相互乗入れ開始、運転系統は二子玉川園を介して大井町から渋谷直通にシフトし田園都市線は大きく変貌する。そして新玉川線の線名は影をひそめていったようなそんな印象が残っている。 8625他5連 東急新玉川線用賀 S52(1977)/4

 閲覧いただいた線路端さんより新玉川線開通記念乗車券の画像をいただいた。

 上段は田園都市線で見たことのある青ガエルを彷彿とさせる、まるで遊園地の電車のように映る。玉電で人気の200形らしい。中段は大橋電停のようで玉川通りを行くお別れ電車。新玉川線はこの道路の地下を走る。下段は壁面の色から三軒茶屋駅と思われる。右は新線の路線図が入った珍しい縦長の記念乗車券で開通日付「昭和52年4月7日」が印刷されている。
 線路端さんありがとうございました。

 R5(2023)/10/13 追記