転轍器

古き良き時代の鉄道情景

行橋で会った9600

 小倉工場から全検出場したばかりの時に遭遇した。黒光りするサイドビューに圧倒される。 19626〔行〕 行橋機関区 S45(1970)/8/3

 末広がりのパイプ煙突はキュウロクには似合わない気がする。LP403形前照灯も大きいので重たく見える。艶々のボイラ周りはさまざまな配管が巡らされて賑やかだ。19626〔行〕とはこの時と翌年田川線で、4年後の再会で都合3度会った縁深き罐であった。 行橋機関区 S45(1970)/8/3

 デフ無し、LP42前照灯、継足し化粧煙突、ランボード一直線、それと450立方呎形テンダの機関車は崇高な誇り高き趣きを醸し出しているように感じる。 29661〔後〕 行橋機関区 S49(1974)/5/2

 9600のテンダは外観が横から見て凸形と炭庫上部が台形になっているタイプがある。前者を450立方呎形、後者は6-13形と呼ぶようだ。後者タイプはリベットの有無や炭庫高さ、縁取り等でさまざまな形状がある。 49691〔行〕 行橋機関区 S45(1970)/10/10 撮影:BBSさん 所蔵:転轍手

 継足し化粧煙突、ランボード一直線、キャブ裾の点検窓は前掲の29661〔行〕と同一であるがデフが付いているので印象は全く異なる。行橋構内北詰で入換仕業に就いていた。蒸機終焉まで残ったナンバーの内の1輛だ。 59647〔行〕 行橋 S45(1970)/8/3

 元空気溜を避けた2段ランボードタイプは筑豊の9600には多かったと思う。切取式除煙板はK7と呼ばれる形態豊富なタイプであるが、少し前に傾いているように見える。 59684〔行〕 行橋機関区 S46(1971)/8/10

 北九州・筑豊蒸気機関車引退を記念して、昭和49年12月22日に門司港~飯塚間でお別れ列車が運転された。「さよならSL/門司鉄道管理局/1974.12.22」のサインを掲げて9600重連の先頭に立ったのは59684〔行〕であった(次位59647〔後〕)。途中で博多開業前の新幹線と交差する映像が印象に残っている。 59684〔行〕 行橋機関区 S45(1970)/10/10 撮影:BBSさん 所蔵:転轍手

 69608〔行〕のテンダはRが付いていない凸形でリベットも無い。背面の昇降は梯子が付いている。唐津線のDL化で西唐津から来た罐のようだ。 行橋機関区 S49(1974)/5/2

 直方機関区で見た69615〔行〕は直方から伊田線田川線に乗り入れてひと足先に行橋に着いていた。田川線ホームから機関区に憩うキュウロク群を望む。 行橋機関区 S46(1971)/8/10

 面積の広いK7タイプの切取式除煙板がよく目立つ。テンダは改造の跡のようなラインが見える。ナンバープレートはゴシック体の形式入が付けられている。 69642〔後〕 行橋機関区 S45(1970)/10/10 撮影:BBSさん 所蔵:転轍手

 昭和48年の唐津線DL化で西唐津機関区から行橋へ配置替えとなっている。デフに描かれたつばめマークが特ちょうであった。片側の開放テコは前端梁と平行に取付けられているので目立たない。標識灯は左右で取付け高さが異なっている。 79605〔行〕 行橋機関区 S49(1974)/5/2