転轍器

古き良き時代の鉄道情景

船尾発苅田港行7494レ

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 石灰石専用列車の先頭で奮闘するキュウロクはともに化粧煙突の、ランボード一直線の59647〔行〕と2段ランボードの59684〔行〕で、いずれも行橋機関区の罐であった。続くホキ4200は積荷の汚れで黄帯やレタリングは霞んでいるが車体のリブと輪郭は鮮明に見えてとても印象的。 7494レ 田川線油須原~内田(信) S48(1973)/3/30

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 大築堤のカーブの向こうから3条の煙が回り込んで来た。前2輌、後部補機の息の合ったドラフト音が辺りに響く。 7494レ 田川線油須原~内田(信) S48(1973)/3/30

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 3台の機関車はゆっくりと歩を進める。直線に入って編成の全容が見える。この日は背の高いセキ6000が中間に1輌見えるだけできれいに揃ったホキ4200とホラ1の並びが見事だ。 7494レ 田川線油須原~内田(信) S48(1973)/3/30

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 編成後半は麻生セメントの私有貨車ホラ1群が続く。ホラ1は18輌の在籍でこの編成に全数が投入されているようだ。「ASO PORTLAND CEMENT」の円形ロゴがシャープに映る。補機は懸命に重量列車を押し上げる。 7494レ 田川線油須原~内田(信) S48(1973)/3/30

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 補機はデフ無しパイプ煙突の29611〔後〕で、主連棒とモーションプレートの規則正しい動きは力強い後押しを彷彿させる。セフのナンバーはロセフ248と読める。 7494レ 田川線油須原~内田(信) S48(1973)/3/30

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 ロセフ248は今しがた船尾で会っていた。苅田港行7494列車を仕立てる最中で、ホラ1で組まれた編成の先頭に付いていた。編成は後藤寺でスイッチバックするので、船尾で先頭のロセフ248は田川線へ入った時は最後尾となる。 後藤寺線船尾 S48(1973)/3/30

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 翌日、再び同じ列車の見物に訪れる。補機はデフ無し化粧煙突の49675〔後〕が、締めくくりの緩急車はロセフ145が努めていた。 7494レ 田川線油須原~内田(信) S48(1973)/3/31

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 後藤寺から後押しを務めた49675〔後〕は上り勾配を征服して油須原で任務終了。セフから離れて一息ついた後、今来た道を単機で戻る。 7494レ 田川線油須原 S48(1973)/3/31

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 49675〔後〕のボイラ回りは一直線の罐掴み棒と放熱管が目立つくらいでパイピングはすっきりしている。デフの無いフロントデッキも開放テコとブレーキホースだけでこれもシンプル。筑豊のキュウロクの特ちょうであるキャブ裾の点検窓は開けられていない。 田川線油須原  S48(1973)/3/31